未来を変えた島の学校/山内道雄,岩本悠,田中輝美

未来を変えた島の学校――隠岐島前発 ふるさと再興への挑戦』を読んだよ。やっぱり教育…。

隠岐島前高校で取り組んだ同校の魅力化プロジェクトについて、紹介した本。ここでは、「存続」ではなく、あくまで「魅力化」という点がポイント。そう、「存続」というと小手先の手段に走ってしまうし、日本のあちこちで同じことが行われているけれども、決定打が出ていないのが実情。だから、魅力があれば、存続は自動的についてくるということ。だから、このプロジェクトの正式名称は「隠岐島前高等学校の魅力化と永遠の発展の会」。持続可能性の意味も込められているよね。

勿論、様々な障害はある。例えば、施設・設備や教員等のリソースの問題。これは、

学校内になくても、地域にはもっといい施設や設備はたくさんあるし、本物の現場で経験を積んできたプロもたくさんいる。島前地域唯一の高校なのだから、島前地域全体をキャンパスと考え、学校外の人たちにも“先生”になってもらえばよい。
という考え方でクリアする。これはまさに最近の学校の地域連携の考え方。地域が育てて人材が地域に貢献する人材になる。それが持続可能性に繋がっていくわけだよね。

そして、「観光甲子園」に挑戦する。テーマは「ヒトツナギ」。これを契機に、学習センターの設立や島外出身者の積極的な受け入れなど、取り組みを広げていく。その成果は本書を読んでいただくとして。

最後にこのプロジェクトの中心人物があとがきで語ること。

だからこそ、こうした人の魅力を次の世代につないでいく「魅力ある人づくり」こそが、魅力ある地域づくりの真髄だと確信できた。
うん、これは学校の魅力化とは何かの真髄だよね。それは社会の中の学校の役割としても。隠岐島前高校の今を知りたくなってきたなぁ〜。
未来を変えた島の学校――隠岐島前発 ふるさと再興への挑戦
未来を変えた島の学校――隠岐島前発 ふるさと再興への挑戦山内 道雄 岩本 悠 田中 輝美

岩波書店 2015-03-25
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