現代語訳 武士道/新渡戸稲造,山本博文

現代語訳 武士道 (ちくま新書)』を読んだよ。いまだに武士道の精神が底流に。

超有名な本書。それだけにいつかは読みたいと思っていたけど、かなり以前から積読状態。Kindle本は場所を取らないから、積読の山がいくらでも高くなるのが玉に瑕。タイミング的には紙の本が切れたところで、ようやく読み始めたというわけ。現代語訳版ということで、思ったより読みやすく、多少の難読漢字や、意味不明もあったけど、無事に読了。

まずは副題について。本書に「日本人の魂」という副題があったというのは初耳。だから、訳者まえがきでも、

題名が「武士道」だけに、武士の規範や倫理を書いたものだと思われがちだが、この書物は単に武士道を解説するだけではなく、さまざまな事例をあげて、日本人の拠って立つ道徳意識や思考方法を明らかにしている。
と。そう、武士道って日本人の思考方法なんだよね。本書の中で、どうしてこういう考え方をするんだろうと日本人以外が感じていることの理由を明快に説明しているし。

そして、腑に落ちたのが「克己」。以前に「かっこ」と読んでしまい、恥ずかしい思いをしたことがあったから、余計に思い入れが強くなる。その「克己」について、新渡戸は、

しかし、絶えず克己を励行させる必要があったのは、まさに私たちが興奮しやすく、また敏感だったからだと私は信じる。
と言っているよ。そう、克己とはセルフ・コントロールのこと。敏感な感覚をいかに制御するか…。日本人だったら、分かるよね。

もう一つは、現代日本人にも理解しづらい「切腹」。新渡戸は、

この精神生理学説が認められるならば、切腹の論理はたやすく構築できる。それは、「私は、私の魂の宿るところを開いて、あなたにその様子を見せよう。それが汚れているか、清いかは、あなた自身で判断せよ」ということである。
と説明しているよ。はぁ、こう説明されると妙に納得してしまうよね。自己犠牲、謙る等々の概念と繋がってくるし。

これを思うと、やっぱり自分は日本人なんだな…と納得してしまうし、その中でも日本人っぽい日本人なんじゃないかと思えてくるんだけど…。どうなんだろ。どの日本人もそう思っていたりして…。

現代語訳 武士道 (ちくま新書)
現代語訳 武士道 (ちくま新書)新渡戸稲造 山本博文

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