スノーデン 日本への警告/エドワード・スノーデン,青木理,井桁大介,金昌浩,ベン・ワイズナー,宮下紘,マリコ・ヒロセ

スノーデン 日本への警告 (集英社新書)』を読んだよ。対岸の火事ではないってこと。

本書は、2016年6月に東京大学で行われた公益社団法人自由人権協会のシンポジウム「監視の“今”を考える」を書籍化したもの。自分的には「スノーデン」の反応してしまったという感じ。その後の彼の動きが気になったはいたから。

本書は二部構成で、その前半がスノーデン氏の話。もちろん、当のスノーデン氏が日本に来たわけではなく、ロシアからのビデオ出演。後半は前述のシンポジウムの内容。

まずは刊行の辞でのスノーデン氏。トランプ大統領の登場について、かなりの警戒感を露わにし、

想像もできなかった事態が現実となった今、アメリカを含む民主的な国家の市民が、民主主義とは、引き継がれてきたものの上にあぐらをかいていればよいのではないということに気付くことを願っています。<中略>「トランプ大統領」は、私たちを自らの理念に改めて積極的にかかわらせるための“目覚まし時計”となるかもしれません。
と言っているよ。そう、トランプ大統領だったら、権力の強権発動による監視活動を正当化するだろうからね。

で、日本にとってはどうなのか。

このテーマは現在の日本にとって極めて重要な問題です。ここ数年の日本をみると、残念ながら市民が政府を監督する力が低下しつつあるといわざるを得ません。2013年には、政府がほとんどフリーハンドで情報を機密とできる特定秘密保護法が、多数の反対にもかかわらず制定されてしまいました。
という状況だよね。しかも、それほどプライバシーについても敏感ではなく、その点についても、
今現在のあなたにとって、プライバシーはそれほど大切ではないかもしれません。しかし少し想像してみて下さい。プライバシーがなくなれば、あなたはあなた自身ではなくなるのです。社会のものになってしまうのです。<中略>プライバシーは自分自身の判断を可能にするのです。プライバシーは、自分が自分であるために必要な権利なのです。
と、スノーデン氏は警告するよ。あ〜、怖い世界になったもんだ。

おっと、第二部に言及する字数がなくなった。いや、結局スノーデン氏の言葉の繰り返しだから、まぁいいか。うん、それよりも監視を監視するという議論。やっぱり、そうせざるを得ないのかなぁ〜。

スノーデン 日本への警告 (集英社新書)
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