なんの変哲もない取り立てて魅力もない地方都市 それがポートランドだった/畢滔滔

なんの変哲もない取り立てて魅力もない地方都市 それがポートランドだった: 「みんなが住みたい町」をつくった市民の選択』を読んだよ。本当に成功だったのか?

知人の紹介で知った本書。凄く面白そうと思い、珍しく図書館に購入リクエスト。だから、配架の前に入手。こういうのも何となく気分がいいよね。

内容的には、米国の地方都市であるオレゴン州ポートランド市の都市再生の事例集。「事例集」であり「物語」と書かなかったのは、一般書ではなく、どちらかというと研究書風だったから。

では、その都市再生とは…なんだけど、要は政治家がリーダーシップを発揮してゴリゴリと推し進める(つまりは、業者丸投げの再開発)のではなく、都市にどんな価値を求めているのかという戦略思考による再生ということ。筆者曰く、

1970年代、ポートランドダウンタウンの再生をもたらしたものは、新しい世代の政治家と専門家達の戦略思考であったと筆者は考える。ここで言う戦略思考とは、都市・中心市街地が「誰に」、「どのような価値を」、「どうやって」提供するのかを検討し、郊外との違いを作り出すためにどのような打ち手が必要であるかを考えることである。
ということ。ひとつのビジネスモデルの構築というか、ドラッカー思考というか。そう、丸投げは思考停止ってことだからね。

ただ、読後感は何となく腑に落ちない感じ。その要因は、市民の声が全く掲載されていないことなのかも。確かにデータではそうなったのかもしれないけど、ポートランドに住む人々の思いが伝わってこないなぁ〜というのがちと残念でした〜。

なんの変哲もない取り立てて魅力もない地方都市 それがポートランドだった: 「みんなが住みたい町」をつくった市民の選択
なんの変哲もない取り立てて魅力もない地方都市 それがポートランドだった: 「みんなが住みたい町」をつくった市民の選択畢 滔滔

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