知らないと恥をかく世界の大問題8/池上彰

知らないと恥をかく世界の大問題8 自国ファーストの行き着く先 (角川新書)』を読んだよ。ファースト流行り。

このシリーズも第8弾。シリーズが進むに連れて、発刊の間隔が短くなってきているような気がするけど、それだけ世界の情勢の変化が激しいということなのか…。

今回の副題は「自国ファーストの行き着く先」。自分的には、何とかファーストという言葉は東京都知事選挙で初めて聞いて、それから流行り始めたように思えるけど、世界の潮流から見ると「都民ファースト」の方がその流れに乗っただけだったのかとも思えるほど。そして、それを本書では「反グローバル現象」と表現しているよ。要は揺り戻しってやつね。

で、その反グローバルの急先鋒がドナルド・トランプという人物。池上さんは彼を様々な言葉で表現しているよ。「トランプという人物の精神分析が必要」とか、「彼はイデオロギーなきビジネスマン」とか、しまいには「トランプに騙されたと気づく人たちが出てくるでしょう」とまで。いや、当たっているとは思うけど。

そして、毎度の中東問題。いつまでもぐずり続けるのは何故なのか?そもそもの原因を作ったのは欧米諸国+ソ連なんだろうけど、現地の人たちの歴史的な事実も民主化が進まない要因だとか。例としてアフガニスタン

独裁政権を倒せば、人々は民主主義国家をつくると思っていたのです。実際には、そんなことにはなりませんでした。アフガニスタンに、そもそも民主主義の歴史はなく、民主主義がどんなものか、理解できる人は少なかったのです。
とか、
しかし、イラクには過去、国民が民主的な選挙で代表を選ぶという仕組みはありませんでした。
ということで、前の政権が倒れても何をしていいのか分からないとか。
そして、それと同じことが長い間軍事独裁政権だった韓国にも言えるとも。

そう、だから本書に通底するキーワードは“民主主義”。池上さん曰く、

私は、世界を見ていると「民主主義の国とは何か」と考えます。結論としては、選挙結果にみんなが従うことではないでしょうか。
と。確かに、選挙結果がヘンな国はたくさんありそうだよね。人類はまだまだ勉強不足ってことなのかなぁ〜。
知らないと恥をかく世界の大問題8 自国ファーストの行き着く先 (角川新書)
知らないと恥をかく世界の大問題8 自国ファーストの行き着く先 (角川新書)池上 彰

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