クラウド時代の思考術/ウィリアム・パウンドストーン

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと―』を読んだよ。タイトルに異議あり

しかも、副題が「Googleが教えてくれないただひとつのこと」だから、なんとなく『〈インターネット〉の次に来るもの』を想像するのは必然。でも、本書の内容はちょっと違う。
テーマは「ダイニング=クルーガー効果」。それは、

知識や技術にもっとも欠けた者の特徴は、知識や技術の欠損をまったく理解できないことだ。
ということ。そう、Googleで検索すれば、知識は簡単に手に入る時代。だからこそ、知識を持つ必要はないのか?という疑問が起きる。だから、本書は、
事実を簡単に調べることのできる世界にいて、なお事実を知ることに価値があるのだろうか?この本はこうした単純な質問に答えを出す試みである。
ということに。

では、筆者は何をしたか。それは世論調査の手法を使い、知識と所得の相関関係を調査すること。本当にどうでもいいようなちょっとした知識を質問項目として上げてみる。そして、その人の所得との相関関係を分析するわけ。例えば、歴史の教科書によく出てくる人物の写真を提示し人名を答えさせるとか、ビックマックのカロリーはどのくらいか?とか。

この相関関係の話が延々と続く(400頁のうち300頁位上はその話)んだけど、知識は必要なのか?という冒頭の命題の結論はというと…。そう、やっぱり、知識は必要なんだと。その理由も長いんだけど、例えば、

広い知識の持ち主は、恐ろしくひどい決断をすることはまずなさそうだ。それは彼らが全体を見渡していて、自分が知らないことを、はっきり述べることができるからだ。
と。いや、これってイメージ的には理解していることだよね。まぁ、知識は必要なことには間違いない。なんでも検索できる時代でも、その文脈は知識がないと理解できないわけだからね。
それにしても、長かった…。
クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと―
クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと―ウィリアム・パウンドストーン 森夏樹

青土社 2017-01-25
売り上げランキング : 230926


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ