秘境駅へ行こう!/牛山隆信

秘境駅へ行こう! (小学館文庫)』を読んだよ。幹線上に存在するのに、“秘境”とは此れ如何に。

鉄オタまで行かないけれども、乗り物好き、鉄道好きのアッシ。中学時代は時刻表も愛読。
酒井順子『女子と鉄道』を読んでから、ちょっと鉄オタ魂が復活して、図書館サイトで鉄道関係を検索。
で、見つけたのがこの本。サラリーマンの筆者が休日と格安切符を駆使して、日本全国の秘境駅を巡る本。

まずは、「秘境駅」の定義。明確には示されていないけれども、「断崖絶壁や深い山中、無人の原野など立地条件が厳しい駅」などを秘境駅としているよ。そう、要は周りに何もなく、且つ辿り着くのが困難な駅。列車に乗れば難なく辿り着くことができるのに…という前提条件が付くけれども、その前提条件ですら、クリアできない秘境駅もあるんだけれどもね。

さて、どんな秘境駅が登場するのか。幾つかを紹介。

まずは、安中榛名駅。そう、長野新幹線の…。
どれだけ秘境度が高いかというと、「16時頃の東京行きの列車から降りた乗客がひとりだけ」、「16時過ぎに来た客が昼過ぎから初めてのお客さんという釜飯屋」、「新幹線の駅なのにキヨスクが撤退」など、山中の秘境駅とは違う意味で、秘境度満点。タクシーも少なく、JR在来線の最寄り駅までバスは1日10往復だけ。つまりは、「辿り着くのが困難」という前提条件をきっかりクリアしているわけ。

そして、高千穂鉄道の影待駅。
筆者の表現が極端だから、そのまま引用。

「なんじゃ、ここは!」
すごい!あまりにもすごすぎる。
連続するトンネルのあいだに空いたわずかな地上部分につくられた駅は、断崖絶壁に狭いホームと待合室があるだけで、人家がまったくない。いや、それどころか、人家をつくろうと思ってもつくれない!
と。写真で見ると確かにそう。駅へ行く道もほとんど山道。やっぱり、凄いかも。

さて、いろいろな秘境駅。山中の秘境駅は、以前は信号所やスイッチバックの基地だったところが多いみたい。だから、当然旅客扱いを前提としていないわけだから、人家があるなしは関係なかったんだろうね。それでも、国鉄時代は親方日の丸だから、少しでも人家があって、地元の要望があれば、旅客扱いの駅にしたみたい。

そして、筆者は待合室さえあれば、駅寝する。そう、こんな秘境駅でも待合室があるのがすごく不思議。そんなわけで知れば知るほど、奥が深くなる秘境駅の謎でした〜。

秘境駅へ行こう! (小学館文庫)
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