鉄道会社の経営/佐藤信之

鉄道会社の経営 - ローカル線からエキナカまで (中公新書)』を読んだよ。ここにもビッグデータがあった。

鉄道大国の日本。高度経済成長期には大小さまざまな鉄道が全国に張り巡らされて、庶民の身近な足として使われていたんだけど、国鉄の民営化あたりから、ローカル線の廃止とか中小私鉄の経営難などで、路線の減少が進んでいるよね。
そんな経緯を含めて、現在の鉄道会社の経営を細かいデータを紹介しながら、解説するのが本書。事細かにデータを並び立てる部分もあり、解説や見解がもう少し加えられていると読みやすいんだけど…。

前半は日本の鉄道の全般論。新幹線を代表する幹線網からローカル中小私鉄まで。さらには、都市鉄道や地下鉄まで。こうしてみると、鉄道といっても多種多彩。簡単にはひとくくりにできない感じがするよね。

後半が本書の主題である経営そのものについて。特に本業での増収努力については興味があるよ。右肩上がりの成長が見込まれない日本経済において、新線建設はコストも掛かるし、それほどの収益が見込めないとすると、既存設備の中で収益を上げる方法を考える必要があるわけで…。

本業以外では、観光需要の喚起とか、住宅地の開発、ターミナルでの商業施設などが紹介されているよ。そして、アッシが気になる駅ナカ事業。この話を読むと、国鉄が民営化されたのは正解だったなぁ〜と思うよ。ただ、鉄道は公共事業的な意味合いが強いので、自治体や国の支援は必要なんだろうね。どう役割分担するかの問題は重要だけど。
ということで、鉄道の経営って社会的影響力が大きくて深〜いものだと知りました〜。

鉄道会社の経営 - ローカル線からエキナカまで (中公新書)
鉄道会社の経営 - ローカル線からエキナカまで (中公新書)佐藤 信之

中央公論新社 2013-12-19
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