組織自律力/佐藤剛

組織自律力―マネジメント像の転換』を読んだよ。課題図書シリーズ第3弾。

7月は課題図書満載月間。活字中毒者と言いながらも、強制的に読まされる本は辛いわ…。とも言っていられず、3週間で4冊が目標の1冊目が本書。

内容的には、「組織マネジメント」。
それにしても、組織って不思議。一応、トップがいて、その下に部下がいて、三角形が出来ていく。トップの方針とかやりたいことが正確に下りてこないと、部下はそれに向かって進まないし、最悪の場合、逆方向に行くことも…。でも、実際はあまりそうならずに、結構まともな方向に進んでいくよね。そう、そんな観点から本書は始まる。
トップが把握できる範囲は決まっているし、担当者はそれぞれの持分で仕事をしているのに、一応結果は出している。この事実はどこから来ているのだろうか…と。

そして、組織の構造の問題。
ピラミッド型とフラット型があるけれども、どちらがよいのだろうか?本書の主旨でいうと、それはフラット型。知識の創造という点からも重要だという。ピラミッド型のように職務が固定されていると、これまでの職務にない事象に出会った時に、対応方法を上司に求めてしまう。フラット型では、自らその事象を理解しようとするので、そこに新しい知識は創造されるのであるという意味。そういう意味でチーム型もいいとも言っているよ。
そう、どこの職場にもあるんだろうけど、既存の組織を超えたプロジェクトとかワーキングチームとかがそれに近いかもね。要は併用型っていうか。

以上の前提条件を元に、組織の自律力とは何かを探るということで、幾つかの会社の事例を紹介し、その理論的な考察が続く。

ここでは、アッシの気になったフレーズをいくつか紹介。

会社というフォーマルな組織だからといって、上司から部下への一方的な指示だけで、部下が行動するわけではない。むしろ、上司と部下との相互行為のなかで、次に何をすべきか、つまり行動のルールが創出されるのである。
その時の、外的環境において、素早い判断が必要な場合って上司に相談せずに、判断できる能力とか信頼もそれと同じだよね。

もうひとつ。

職場で会議することを勉強と呼んでいるのである。<中略>これらの言葉は上司と部下という関係を超えて、一緒になってより適切な意思決定をしたいという謙虚で真摯な態度をイメージさせる。
上司だって知らないことは山ほどある。情報を交換し合うことは、適切な判断には必要なことだよね。

そこで、本書の結論らしきことは、「情報の共有化」。会話の重要性はもちろんだけど、それを促す仕組みも重要だと。雑談然り、それにも増して、雑談できる環境も必要なんだよね。昔から、雑談の中に仕事のヒント有りって言わなかったっけ?集中していて、ふと気が抜けた時にアイデアが出ることもあるしね。
最後は、「自律力」から逸れたような結論だけど、それは物事の本質のひとつがコミュニケーションという概念であるからかもしれないね。
この結論を今後の研修に活かしていかなくては…。

組織自律力―マネジメント像の転換
組織自律力―マネジメント像の転換佐藤 剛

慶應義塾大学出版会 2006-10-17
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