非営利組織の経営/P.F.ドラッカー

非営利組織の経営―原理と実践』を読んだよ。使命を考えることが一番難しい…。

久しぶりにドラッカー。自分の仕事に一番近いという意味で、本書には前から興味があったけど、読むタイミングが見つからず。今回はたまたまローテーションの谷間という奴で、以前から上司に借りていた本書を読了したわけ。

ドラッカーのマネジメント関連の本はたくさん出ているので、読んでいる人も多いはず。だから、今回は本書の主旨である非営利組織について、特徴的に述べられている点に焦点を当てて紹介するよ。

一つ目は、評価尺度の違い。企業は利益の追求という評価尺度が基本的にはひとつだけ。非営利組織はステークホルダーの多様性により、あらゆる側面からの評価に対応しなくてはならない。その為には、リーダーのビジョンが大切。我々(組織)の使命は何か?…と。

そして、イノベーションイノベーションする為のアイデアは、非営利組織では事欠かかないが、それを現実の成果に結びつける意欲と能力が不足しているのだと。さらに戦略については、

絶対確実な戦略がある。うまくいっているときにこそ、見直しを行い、組織を改革するのである。
と言っているよ。でも、これは凄く勇気がいること。だって、順調なんだもの。普通は暫くは安泰だから…と言って、何を考えないことが多いよね。

マーケティングについても。
非営利組織自身は、自らがニーズ志向だと思っている場合が多いが、しかし、それが本当に顧客の立場に立ったニーズであるかは極めて怪しい。

彼らは、自分たちの立場でニーズを解釈して仮説を立てているのです。
と、ドラッカー氏。独りよがり…。非営利組織にはよくあるパターン。

最後は、意思決定。

非営利組織の弱点は、企業と違って関係者が、自分たちは無謬でなければならないと思い込んでいるところにある。
と言い、何かがうまくいかなくなると、犯人探しが始まるとも。意思決定には撤回も必要。だから、「誰が決定を撤回するか、誰がプログラムや実務を切り替えるか、どのようにして切り替えるか」を問えるようにしておかなかればならないということ。これはアッシに取っては、新たな視点。嬉しいね。

それにしても、どうしてアメリカで非営利組織が語られるのか。それはアメリカが非営利組織に支えられている社会だから…ということも本書で発見んしたよ。日本ではなかなかそういう感覚だとならない感じだけどね。もう少し、非営利組織について、ドラッカーが語ってくれる本はないかなぁ〜。

非営利組織の経営―原理と実践
非営利組織の経営―原理と実践P.F. ドラッカー 上田 惇生

ダイヤモンド社 1991-07
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