ブロックチェーン革命/野口悠紀雄

ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現』を読んだよ。IT革命の完成版。

今回も引き続き「Fintech」。筆者は野口悠紀雄先生だから、『仮想通貨革命』の続きっていう感じかな。だから、『FinTechが変える!』よりは、さらに社会的な観点からの「ブロックチェーン」を論述しているよ。

そして、論点は副題にある「分散自律型社会」ということ。要は、ブロックチェーン技術が分散自律型社会を出現させるということ。いや、Internetの出現により分散型社会になりつつあるんじゃないの?って思うかもしれないけど、金融的にはまったくそうなっていないということ。改めてそう言われると確かにそうかも。お金って未だに金融機関を通さなければ、何もできない状態だよね。でも、ブロックチェーンの技術は金融機関だけに留まらない。そこで、

世界はいま、ブロックチェーンという新しい技術の潜在力に気付いた。そしてそれが、未来のビジネスチャンスの宝庫であることに気付いた。それだけではなく、この技術が社会と経済を根底から変えてしまうことを認識したのだ。これはインターネットの黎明期と同じような状況だ。
と筆者。金融機関以外では、IoTやサプライチェーン、医療、教育などでも用いられるということ。ピンとこない分野もあるかもしれないけど、P2Pという概念が分かれば、同じことだと気づくんだよね。

もう一つ、信頼性をどう考えるかという問題。

ブロックチェーンの世界においては、人や組織を信頼する必要がない。改竄できないデータがブロックチェーンに埋め込まれているからだ。そして、数千台のコンピューターが働いてそれを維持している。これこそが信じるに値するものである。
そう、大企業だから、行政のやることだから信頼できるという世界からの脱却。だからこそ革命なのかもしれないけど、人々の心がここまで変えられるのか…。ましてや日本では難易度が高そうな気がするよね。
いや、いつの間にかそんな世界になっていた…っていうのが世界の変え方なのかなぁ〜。
ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現
ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現野口 悠紀雄

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