知らないと恥をかく世界の大問題/池上彰

知らないと恥をかく世界の大問題 (角川SSC新書)』を読んだよ。何度も読むと段々と理解が進んでくる。

飛ぶ鳥を落とす勢いというと大袈裟かもしれないけど、ニュース解説では、引っ張り凧の池上彰氏。今年の参議院選挙の開票速報での解説は圧巻だったとか。そんな影響なのか、本屋に行けば、池上氏の著作が平台に山積み。売れまくっているんだろうなぁ〜。

で、本書。あとがきの日付が2009年10月だから、その当時の世界情勢についてズバリ解説という感じ。とは言っても、流れがあるわけだから、その1年前に起こったリーマン・ブラザーズの経営破綻問題とか、米オバマ大統領の誕生にあたってはブッシュとの違いを解説したりと、歴史的な背景も学べるわけ。

まずは、リーマン・ショックの意味することは何か?池上氏は、ズバリ「アメリカの覇権の終焉」という。

アメリカは「モノづくり」では日本にかなわなくなり、金融工学で世界をリードしてきました。人は得意分野で失敗するといいます。まさに、一番の得意分野でコケてしまったのです。
ということで、次なる覇権国家はどこかという話に移行する。

候補としては、ロシア、中国、インド。ロシアが入っているのは意外な感じだよね。その中でも注目は、今話題の中国。池上的な解説は、

アメリカもヨーロッパも今や日本より中国重視。その背景にはやはり中国が経済力をつけ、「世界の工場」から「世界の市場」へと変貌していることが上げられます。
となる。少し前までは、工場製品と言えば中国産というイメージだったけど、あっという間に変わってしまったよね。「市場」と言えば、最近の日本では中国からの旅行客が各方面で重要な顧客だったりするからね。

そして、教育問題。今、アッシ的に注目のフィンランドの事例を紹介しているよ。そのフィンランドの教育方針は、日本とは全く逆のもの。コンセプトは現場の教師への信頼。カリキュラムは役人が作らず、教科書も自由。
で、最大のポイントは、教師は授業に専念できること。

先生の仕事は授業をすること。放課後まで世話をする必要はありません。進路指導も担任の先生が関知しないこと。どこの高校に進むかは本人と家庭の問題。教師が口出しすることではないというわけです。その結果、フィンランドの先生は授業の教材研究に力を入れることができ、授業に専念できるのです。
あ〜、これって東京杉並・和田中学の藤原校長の手法と同じだよね。和田中の場合、課外活動は地域の力を活用し、教員はその分を授業準備に振り向けていたよね。

世の中は毎日動いている。本書は去年の発刊だけど、あっという間に内容が古くなる。でも、現代を知るのには、まず過去を知ることが必要。池上氏のわかりやすさって、そこにヒントがあるような気がするんだけど。

知らないと恥をかく世界の大問題 (角川SSC新書)
知らないと恥をかく世界の大問題 (角川SSC新書)池上 彰

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starまあ、しかたないか
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