クラウド化する世界/ニコラス・G・カー

クラウド化する世界~ビジネスモデル構築の大転換』を読んだよ。クラウドとは人間を人間でなくするもの。

近頃のアッシ的には、「クラウド」が注目キーワード。で、そのクラウドについてじっくり読めそうな本を探して、見つけたのが本書。原題が"The BIG SWITCH"だから、副題の「ビジネスモデル構築の大転換」が本書のイメージに近いよ。

本書で最初に登場する"The BIG SWITCH"は、電力の供給。電気が発見されて、各工場で発電機を持ち、動力を供給していた時代。電気を配給する技術が進むと、あっという間に自社での発電は廃止し、供給される電力を利用するようになる。そして、生産性が上がれば、ホワイトカラーの登場。これってまさに現代のクラウドの世界だよね。インフラが変わればビジネスが変わり、そして人々の生活が変わる。電力供給もしかり、クラウドもしかり。

さらに衝撃的な事実。ワールドワイドコンピューティングは無報酬で働く人々を生み出しているのだと。
例えば、ユーチューブ。ユーチューブのユーザは無償でコンテンツを提供し、そのコンテンツの製作に関わる労働力はボランティアだよね。ブログのコンテンツやそのコメントもしかり。ウキペディアもそう、食べログも、mixiも。

ますます多くの企業が無報酬の労働を戦力化する方法を見つけ出そうと努めている。
と。そうなると有償の労働力はどうなるのか。そう、電力供給により、ブルーカラーの仕事が奪われたように、ホワイトカラーの仕事も取って替わられる可能性を示唆しているよ。

さらに、我々はワールドワイドコンピューティングにコントロールされているのだとも言う。ウェブを使えば使うほど人々の行動の微妙なパターンを発見して利用できるようになると。つまりは消極的な監視だよね。でも、その恩恵を我々は受けているわけ。

インターネットは我々を完璧な消費者兼労働者としたのだ。我々は、より大きな便宜のために、より大きな支配を受け入れている。クモの巣は我々にぴったりと合っていて、捕まっていても結構快適なのである。
そっかぁ〜。こう分析されるとスッキリするよね。インターネットとは何かという概念的な整理ができたような気がします〜。
クラウド化する世界
クラウド化する世界ニコラス・G・カー Nicholas Carr 村上 彩

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