アホの壁/筒井康隆
『アホの壁 (新潮新書)』を読んだよ。二匹目のどじょうにもならず。
筒井康隆氏は久しぶり。『朝のガスパール』とか『文学部唯野教授』などは読んだことがあるけど、最近はすっかりご無沙汰。
それがどうして本書を読む気になったかというと、やっぱりタイトル。本屋の平台にも積まれていたし。読むきっかけなんて、案外そんなものかも。
では、筆者が本書を書く目的は何か。まずは「アホの壁」とは、良識とアホの間に立ちはだかる壁のことだと定義。そのうえで、
人に良識を忘れさせアホの壁を乗り越えさせるものは何か。小生はそれを考えてみようと思ったのだ。と説明しているよ。養老先生の壁とは違うわけ。
前半はアホな事例のオンパレード。これでもかというくらいにさまざまなアホ。はっきり言って、嫌になるくらい。世の中、こんなにアホだらけだったのか。うん、でもこれが現実だろうね。あ〜。
後半は、アホな喧嘩とアホな戦争の話。
喧嘩については、「アホな喧嘩はアホが勝つ」というセオリーは越えられない。これは人類に定められた運命なのだと、諦めモードの筆者。
戦争についても、「アホの壁」的に定義しているよ。
戦争が好きという人は、ナショナリズムによる戦争までをスポーツの一種と見做し、わしには愛国心があるからという自己正当化によってアホの壁を乗り越えたアホなのであろう。まさに、勘違いも甚だしいアホの事例だよね。
最後は、アホの存在理由について。
結論的には、本書のようにアホについて考えを巡らすこと自身がアホの存在理由になるのだと筆者。確かにそうだけど…。
それにしても、これだけアホのオンパレードを羅列されると、いい加減嫌になる。もうげんなりっていう感じ。そういう意味で、本書の存在価値は如何に…。
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