就活のバカヤロー

『就活のバカヤロー』を読んだよ。本書のタイトルは皆が最後に叫びたくなる言葉だとか…。

『最高学府はバカだらけ』の筆者が、またもや大学をテーマに書く。今回は人事ジャーナリストと共著。相変わらず突拍子も無いタイトルだけど、副題も凄い。「企業・大学・学生が演じる茶番劇」だよ。

さて、内容的には、前述の茶番を演じる登場人物ごとに章立てされていて、その実態を詳細に解説する。

まずは学生。就活はまず自己分析から入るらしい。ところが筆者は、いまどきの学生に自己分析なんかできるのかと疑問を呈する。

最近では、「自己分析不要論」を唱える大学関係者やキャリア論研究者が増えてきている。今まで大した挑戦をしていないのに、自己分析などを行っても、何も生まれない。
結局、嘘くさい自分を作ってしまうだけだとも云うよ。そして、好感が持てる自己分析の例がまたユニーク。
「自分はバカ学生だった。勉強もサークルもろくにやってこなかった。でも、将来は○○な仕事で世界を変えたいと思っている。」
いや〜、これはスッキリした自己分析だよね。

次は大学。ある化学系メーカの採用担当者の言葉。

とにかく大学の数が多すぎるよ。少子化が進んでいるのに大学だけが増えるというのはおかしい。
そう、大学人もそう思っているのだけれども…。

そして、企業。
「就職人気企業ランキング」なるものが世の中に存在するが、これが何のためにあるのかと思う。まさに茶番で、単なる広告となっているような。就活、採活を無視したというか、そこから独立したものとして存在しているんだよね。関係三者はそんなものにも踊らされているのかも。

で、実はもうひとつのステークホルダーが登場する。それが、就職情報会社。リクルート毎日コミュニケーションズが大手だよね。リクナビマイナビはよく聞くし。
これがまた面白い。これらのサイトがグーグル化してきていていて、要はこれらのサイトに登録されていなければ、企業として存在していないものと同じだと。ネット上の村八分がここにも…。

就活ってなんだったんだろ。自分で振り返ってみてもよく分からないというのが正直なところ。

結局、働いてみないことには、仕事の本質も企業の実態もわからないのである。
筆者のこの言葉がアッシ的には本音だなぁ〜。
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