就活のコノヤロー/石渡嶺司
『就活のコノヤロー ネット就活の限界。その先は? (光文社新書)』を読んだよ。バカヤローとの違いは何だ?
『就活のバカヤロー』の続編という位置付けだけど、バカヤローの時代とそんなに変わっていないのが就活。変わっていないというか、コロコロ変わって、何が正しいのか分からないという状態が続いているというのが正しい解釈かも。そう言ってしまうと、本書の意味もなくなり、身も蓋もない。だから、本書の内容を一応説明しておくと、時代が変わり、就活をめぐる四者がそれぞれに創意工夫しながら悪戦苦闘している様子を今回もルポしたものといえるよね。ここでは、ルポであるということが重要で、本書に就活ノウハウを求めてもいけないし、学術的な知識とか教養も求めてはいけない。そう、ルポだから。楽しみましょう!
では、就活事情の本質とは何か?
売り手市場なら売り手市場で企業が早めに動く。買い手市場なら買い手市場で学生が焦って早めに動く。この論理もまた、大正時代から現在に至るまで全く変わりない。そう、これだよね。社会の動向で動きが変わるわけだから、コロコロ変わって当たり前の世界。いい悪いは別ってこと。その時に最適な動向をそれぞれが察知して動くんだからね。就職協定はいつも後手後手ってこと。
もう一つは「大学の勉強ムダ論」について。
大学・学部・研究内容はともかく、何か1つのテーマをしっかり勉強していれば、多少なりとも論理的思考能力は身に付くだろう。それは、教養や社会常識などについても同様だ。そういうものが身に付いていれば、仕事において大所高所から色々なことを判断するのに役立つだろう。それなら高い給料を払う価値があるーーこのように企業は考えるのだ。と解説しているよ。つまりは、ムダどころがしっかり勉強する必要があるってことだよね。勉強した内容ではないという点がポイントだけど。
最後は、欄外情報の「内定者・社会人が後輩学生に伝えたいこと」から引用。
「こういう仕事がしたい」という就活中の思い、それができない現実。でも、矛盾しているわけではなく、新しい仕事が面白い今日このごろ。うん、これも鋭いところを言い当てているような。これこそ、学生には分からない、社会人の楽しさなんじゃないかなぁ~。
就活のコノヤロー ネット就活の限界。その先は? (光文社新書)
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石渡 嶺司
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