デジタルネイティブ―次代を変える若者たちの肖像

デジタルネイティブ―次代を変える若者たちの肖像』を読んだよ。時代はどんどんと変わりつつある。

本書は、「デジタルネイティブ」というキーワードをもとにしたドキュメンタリー番組(NHKスペシャル)を出版化したもの。その取材の様子や取材で筆者が考えたことを取り纏めているよ。

デジタルネイティブ」というと、一昔前だと「天才コンピュータ少年」というイメージだったかもしれないけど、本書のイメージはそれからはまったく掛け離れているよ。そう、コンピュータの世界とは別のもの、コンピュータに詳しいというより、その利活用の世界に入っているわけ。
例えば、アメリカのサマーくんの場合。インターネットの最新サービスを利用し、世界中の人に仕事を依頼し、簡単な化学を学ぶカードゲームを開発した。仕事を依頼された側は、その依頼主が14歳だとは想像もしなかったという。

僕たち大人は、現実かインターネットかという二元論的な考え方に陥りがちだか、サマーくんにとってはそこに境界はなさそうである。
そういう意味で、サマーくんのような感覚や価値観がデジタルネイティブか否かの分かれ目なのだと筆者は云うよ。アッシなんか、感覚的に受け入れられないかも。でも、これからの世代はそういう感覚の人々が増えてくるんだろうね。すでにジェネレーションギャップ。

当然、サマーくんだけが特殊なのではないわけで、日本でもそういう事象に出会うわけ。大学生に取材をして、他の誰か人を紹介してもらいたいときに、SNS(しかも携帯版)を通してすぐに適任者を探してもらえることが増えてきたという。これらの感覚に大学生が企業人になるとどうなるか。SNSの利用を制限している企業が多いと聞くけれども、それはうまくツールを使いこなしていない人の感覚であるのかもしれないとも云っているよ。

そして、ハーバード大学デジタルネイティブの分析をしているというパルフレイ氏の言葉。

デジタルネイティブは、この世の中を、現実世界と仮想世界というように分けてはいません。彼らはこのふたつの世界を世の中だと思っています。私たち大人が現実世界と仮想世界の間に築いた境界線は、彼らには何の意味もないのです。」
この言葉は何を意味するのか。それは、インターネットの世界の分だけ、大人たちより大きな可能性を持っているではないかと筆者は感じる。そう、アッシもそう思う。世界が大人より広いのだからね。

さらに、デジタルネイティブにとって、インターネットは「武器」ではなく、「言語」だという捉え方にもビックリ。そう、彼らは「無意識」のうちにインターネットを使っているんだよね。大人はあくまで「意識的」だ。

アッシの年代では、多分自分自身がデジタルネイティブのような感覚になるのは無理なような気がする。そういう感覚の彼らをこれからの世界を動かすんだという認識を忘れないようにしないとね。

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