1973年のピンボール/村上春樹
『1973年のピンボール (講談社文庫)』を読んだよ。ビール、ビール、ビール…。
村上春樹氏のデビュー三部作とか、「僕と鼠もの」シリーズとか言われている作品群の2作目。勿論、1作目はデビュー作の『風の歌を聴け』。だから、登場人物は、基本的は、僕と鼠、そして、ジェイ。その他に、「僕」と一緒に暮らす双子の女の子とか、不思議な感じの人物が何人か。
で、タイトルにはピンボールという単語が入っているけれども、これはそれほど重要ではない感じ。単に一つのアイテムにしかならないかも。だから、どうも話の主軸がぶれているというか、拡散しているというか…。それが、25歳の青春って言ってしまえば、それまでなんだろうけど。でも、あえて言えば、『風の歌を聴け』の方がストーリーがあったような…。こちらは抽象的な表現が多いような気がするし。
では、どんなセリフが登場するか。「僕」と金星人の会話。
すべての金星人はすべての金星人を愛している。彼らは他人を憎まないし、うらやまないし、軽蔑しない。悪口も言わない。殺人も争いもない。あるのは愛情と思いやりだけだ。と説明した後に、
「そうでもしなければ」と彼は言った。「金星は悲しみで埋まってしまう」と金星人。うん、理屈ではそうなるんだけど、なんだかほろ苦くないか?
『風の歌を聴け』の中で、飲酒運転に気がついたけど、本書では、鼠が飲酒運転っぽい。どちらしても、二人ともビールの飲み過ぎ。痛風、糖尿に要注意なんだけど、若いときはお構いなしなんだろうなぁ〜。
1973年のピンボール (講談社文庫) | |
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