春風夏雨/岡潔
『春風夏雨 (角川ソフィア文庫)』を読んだよ。脳科学に通じる。
天才数学者である岡潔氏のエッセイ集。文庫の初版が昭和45年で、今年平成26年に改版初版として出されたもの。かれこれ40年以上も前なのかぁ〜とこの年になると感慨深い。
エッセイ集と言えど、数学者が書くものだから、意外に難しい内容。まずは、言葉が難しい。古典からの引用があったり、宗教絡みの話があったり。ということで、アッシ的には精神の緊張を伴う読書になったわけ。
では、その内容。
単語として頻繁に登場するのが「無明」という言葉。そして、自分とは何かを「無明」から考えていく。そして、「真我」と「自我」の違い。両者とも、自分自身のことを言っているんだけれども、岡先生のいう自分とは、「真我」のことを言っているんだろうと思う。「自我」はダメだと言っているので、多分…。
そして、登場するのが脳科学。大脳皮質には、新皮質と古皮質があり、人が人たる所以は、この新皮質にあると。ところが、それ故に、人は欲情を新皮質で制御する必要があり、自我をコントロールすることが教育の一つの役割であると岡先生。う〜ん、分かるような分からないような…。
そこで登場するのが茂木健一郎氏。解説を書いているんだけど、この人選はアッシ的には絶賛の嵐。岡先生の言っていることを、簡潔にまとめてくれているから。つまりは、茂木氏の解説が本文の理解を助けたということ。っていうか、これがなければ、消化不良を起こしていたかも。救われました〜。
春風夏雨 (角川ソフィア文庫) | |
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