国家の品格
『国家の品格』を読んだよ。藤原先生、絶好調だよ。
いきなりだけど、本のタイトルと内容にちょっと違和感があるよ。出版社も編集者も気負い過ぎたのかなぁ〜。ただ、藤原先生の言っていることは、今まで以上に過激のような。
で、その内容だけど、小学校の国語教育の重要性とそれによって育まれる情緒教育の充実を、相変わらずの最大のテーマにしている。
そして、新たな視点として追加されているのが、論理だけで物事は片付けられないという考え方。論理だけの世界で生きている数学者の言葉とは思えないよね。いままでの西欧的な物事の考え方を否定するのは、祖国愛という感情が隠されているんだろうね。この「祖国愛」という言葉もこの本のキーワードになっているよ。
さて、その「論理」なんだけど、結局論理の前提条件が違えば結論が違ってしまう訳だから、その前提条件を選ぶ能力がその人の情緒や形にかかっていると筆者は言う。そうそう、この考え方がいかにも数学者らしくてうれしいね。
さて、その情緒について。岡潔という数学者が情緒について語るところを引用。
新聞記者からある時、「先生がおっしゃる情緒というのは何ですか?」と聞かれ、岡先生は「野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心」と答えられました。スミレブームのアッシにはうれしいお言葉〜。
国家の品格 (新潮新書) | |
藤原 正彦 新潮社 2005-11 売り上げランキング : 2267 おすすめ平均 米の時限爆弾が爆発した今だからこそ かなり面白い。 日本人としての心 Amazonで詳しく見る by G-Tools |