YouTube革命/ロバート・キンセル
『YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち』を読んだよ。これは革命か?
YouTubeの副社長が筆者。だから、完全にYouTube寄りの話が中心になるかとは思っていたんだけど、実はそうでもなく、メディアに対するより一般的な議論を展開していて、好感が持てる。事例のほとんどがYouTubeのことなのは、当然だということが前提条件になるけどね。
内容的には、ユーチューバーがいかにユーチューバーとなっていったかという話が中心。誰でもが動画を発信できるプラットフォームにおいて、そこに人が集まるチャンネルを作り、収入を得ていくか、そして、成功していくか…。これが「メディアを変える」という副題に繋がっていくわけで、人々の余暇の使い方が変わり、TVの視聴から動画の視聴へシフトしていく。それも、ミレニアム世代、Z世代と言われる若い世代からシフトしていっているので、我々のような老年世代は、その変革に気がつかないという現象も起きてくる。
では、ユーチューバーはどんな人たちなのだろうか。その根本的性格について本書では、
彼らはコミュニティを形成し、育てることに長けている。基本的に自分を偽らず、自らの人生について率直に、等身大の自分を語っている。彼らは世界中のファンとどうすればつながれるかを理解し、国境を越える魅力を持つ動画をつくる。彼らは自分たちの多様性と、独特の視点を活用する。そして、ニッチの魅力を理解し、無関心な大衆ではなく、熱い少数のファンにアピールしたほうがいいことに気づいている。と言っているよ。そう、従来のメディアの考え方とは完全に逆行。でも、ニッチといえば、ロングテールの考え方に近いよね。まさに動画の世界でも通用するネットの世界の標準仕様ってことだろうね。
最後に目からウロコの話。YouTubeには広告が事前に流れることが多いけど、5秒見ればスキップできる。TrueViewと呼ばれる機能なんだけど、これの意味が凄い。5秒後にスキップされてしまうと広告主は一銭も払わなくても済むという仕組み。それは、
このフォーマットが初めて導入されたとき、広告主は激怒した。しかしまもなく、ユーザーはいつ自ら進んで広告を観るのか知ることの価値が明らかになった。私たちはスキップできない広告もYouTubeで流しているが、広告の大部分はTrueView広告で、人々の気持ちを瞬間的につかむ優れたCMを作成する制作する動機を広告主に与えている。ということ。これも逆転の発想。今までのマスメディアでの発想ではないよね。インタラクティブ広告だからこそできる手法なんだろうね。いや、メディアはまだまだ変わる予感。Z世代はともかく、ミレニアム世代には付いて行きたいなぁ〜。
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