伊藤元重が警告する日本の未来/伊藤元重

伊藤元重が警告する日本の未来』を読んだよ。世界の経済的潮流を知る。

自分的にはちょっとした伊藤元重先生ブーム。池上彰氏とはちょっと違った観点で世界の潮流を知ることができるのが、今のお気に入りの理由かな。経済的な視点て、自分の中で過去にあまりなかったし。

さて、ではどんな警告なのか。前半は技術革新の社会がどう変わるのかという点。後半はトランプ大統領を中心とした保護主義が世界の経済に与える影響について。でも、警告っていうのは大げさで、まさに潮流を詳しく解説し、伊藤氏の見解を披露するという感じ。

では、前半の技術革新について。IoTやAIが社会を変えるというのは既に既成の事実となりつつあるけれども、日本は乗り遅れていないか?と懸念は大きいよね。でも、少子高齢化が先進諸国の中で最も進んでいる日本は、その課題解決に技術革新によるソリューションを展開するには最適な環境なわけ。だからこそ、

企業が生き残るには、過去に見てきた世界のイメージを捨て、これから先の世界の変化に対してフォワード・ルッキングの姿勢を取ることが求められているのではないでしょうか。
と伊藤氏。破壊的イノベーションって、まさにこういうことなんだよね。日本の得意とする改良型イノベーションではダメなんだよなぁ〜。

後半は通商政策と経済問題。自国ファーストという保護主義政策が進む一方で、グローバル化といった流れもあり、単にアメリカに踊らされているだけのような気がしないわけではない日本の現状。それに対し、

もちろん私は、保護主義的な議論のすべてが悪いだとか、未熟だとかいうつもりはありません。正しい議論もたくさんあります。しかし、何か問題が起こればすぐにその原因をグローバル化市場経済に求める保護主義的な考え方は、物事を単純化しすぎていると思います。またそれが単純でわかりやすいがゆえに、多くの人々の間にどんどん広まってそれが世の中全体のムードになってしまうことこそ、むしろ問題だと思います。
と筆者。あぁ、ここでもやっぱりわかりやすいことに流れてしまう思考停止という課題が…。自分の頭でしっかり考える事。それこそが、筆者の発する警告なんじゃないかなぁ〜。
伊藤元重が警告する日本の未来
伊藤元重が警告する日本の未来伊藤 元重

東洋経済新報社 2017-06-02
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