となりのイスラム/内藤正典

となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代』を読んだよ。本当にこの世界を救えるのか?

イスラムの問題って、自分自身はよく分かっていないことが多いんだけど、世界的にはいろいろな事件が起きていて、本当にどうなってしまうんだろうという不安は拭い切れない状態が続いているよね。その不安を少しでも解消しようという気持ちが本書を手に取った最大の理由。っていうか、それ以外には考えられないか…。

で、まずはこんな筆者の主張。

しかし、問題はいじめと似ています。どんな理不尽にいじめても、相手が暴力で応答しないと思い込んでいたなら、あまりにも思い上がりがすぎるというものです。
と。そう、イスラム教徒へのいじめが過ぎると確実に世界戦争が勃発すると。多分、その限界に来ているような気がするんだけど…。

では、イスラムを理解するためにはどう考えたらいいのか。それに対する答えは、

神の領分を侵してはならない。つまり、人間が生み出した技術によってすべてができるとは思っていないということです。ここから先は神の領分だから自分たち人間が手を触れるべきではない、という了解が成り立つ。それがイスラムの特徴です。
という点を理解するということ。そして、
起きたことは受け入れる。そこから先はあれこれ言ってもしかたないし、それは神の領分だから、触れないでおいたらどうだという感覚――こういうイスラム的な感覚は、日本人が抱えがちなストレスの連鎖を断ち切る力になるのではないでしょうか。
ということ。あっ、この感覚が好き。自分の中にもイスラム的な感覚があったなんて。呑気って言われるかもしれないけど、そうでなくては、生きていけないし、疲れるだけ。
ただ、そういう意味で、イスラムの社会と西欧の社会は水と油なのだとも。

最後に「イスラム国」の問題。筆者は、

イスラム国」とは何か、なぜこのような集団が出てきたのか?そのことを突き詰めて考えていくと、どうやら、イスラム教徒がこれまでに経験したことのないような「病」ととらえるのが適切ではないかと思います。
と言う。その「病」に対して、外科的に対応する西欧諸国。つまり、軍事力で対抗するわけだけど、それは母体にダメージを与える。さらに世界が不安定になる。と、負のスパイラル。
筆者はまずは理解することから、少しでも対立を緩和すべしという立場を主張し続けているけれども…。どうなってしまうのか、注視していくしかないのか…。
となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代
となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代内藤正典

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