モッタイナイで地球は緑になる/ワンガリ・マータイ
『モッタイナイで地球は緑になる』を読んだよ。アフリカの様子を再認識。
2004年にアフリカ系女性として初のノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさん。本書は彼女の著作『THE GREEN BELT MOVEMENT』を福岡ハカセが翻訳したもの。タイトルを直訳すると「グリーンベルト運動(GBM)」だよね。
でも、どうしてGBMが平和賞なんだろうという点がミソで、本書を読めばその意味が分かってくるよ。
そして、もう一つのミソが「女性」ということ。
ここで、そのようなグループのメンバーの大半が女性であることに気がづくのは重要だ。そうすれば、開発グループが女性グループと呼ばれるわけが納得できるだろうから。と言うように女性の活躍がグループの中心になっているわけ。さらには、
女性グループが社会に明らかな影響を及ぼしているのを見て、大勢の男性が女性を敬い、高く評価するようになった。また、自らGBMのグループに加わり、環境保護運動の一翼を担うことを誇りに思う男性も現れてきた。という展開までも。だから、平和賞受賞の一つは女性の社会への貢献の拡大という側面もあるのだろうね。
もう一つの側面は、貧困、格差、腐敗、欺瞞などの社会的問題。マータイさんは、
アフリカをダメにした犯人が高学歴のアフリカ人エリートであることはまぎれもない事実である。彼らは、現代的なライフスタイルや価値観の影響ばかり受け、従う人々に誠実に向き合って説明責任を取るという文化をなおざりにした。こんな人間は、リーダーシップのお手本にはならない。と糾弾する。これは政治的な問題でもあるよね。だから、マータイさんは政治の世界にも進出する。内部からの改革を目指して。
最後に、タイトルにある「モッタイナイ」という言葉。マータイさんがえらく気に入った日本語だったよう。アジアの国々にはごく普通にある言葉らしいけど、英語にだけは訳し難いとか。無理に訳すと“経済的でない”といった何とも意味深くない言葉になってしまうとか…。
まだまだ、世界には政治的にも社会的にも安定しない国がたくさんあるんだよね。アフリカは遠い国だったと思っていたけど、少しはアフリカのこと、世界のことが分かったかな。
モッタイナイで地球は緑になる | |
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