「空気」の研究/山本七平

「空気」の研究』を読んだよ。難読…。

ちょっと前に「KY」って言葉が流行ったけど、まさにこの空気というものが日本人を束縛することに注目していた自分。だから、「空気」について書かれた本は何冊も読んできた。でも、本書を読まずに「空気」は語れないとは思っていたので、ようやく重い腰を上げて本書に挑戦。
「挑戦」なんていう大げさな単語を使ったけど、まさに本書を読むには適切な単語。前半の『「空気」の研究』は何とか読めるが、その後の、『「水=通常性」の研究』と『日本的根本主義について』は、難解な文章の連続で、まったく歯が立たずって感じ。思わず、これは日本語なのか?と思ってしまうほど。

と言っていては、この文章を書く意味もなくなってしまうので、多少理解できた部分を引用してみる。まずは、日本の会議のあり方について、

私はときどき思うのだが、日本における多数決は「議場・飲み屋・二重方式」とでもいうべき「二空気支配方式」をとり、議場の多数決と飲み屋の多数決を合計し、決議人員を二倍ということにして、その多数で決定すればおそらく最も正しい多数決ができるのではないかと思う。
と言っているよ。うん、よくある話。会議の結論と飲み屋での結論は違うことが多いからね。要はそれぞれの場の空気が違うから。まさに空気の支配、恐るべし。

そして、結論的なことを述べている部分。(これを読んでも、難解の為にネタバレにはらないだろうから、引用する。)

では以上に共通する内容を一言でのべれば、それは何なのか。言うまでもなく、それは「虚構の世界」「虚構の中に真実を求める社会」であり、それが体制となった「虚構の支配機構」だということである。
全体の流れの中で読めば、何となくだけど、イメージが湧くと思う。でも、この引用だけだと何が何だか分からないでしょ?
ということで、日本人なら一度は挑戦することをお勧めする一冊でした〜。
「空気」の研究
「空気」の研究山本七平

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