ニッポンの大問題/池上彰

ニッポンの大問題 池上流・情報分析のヒント44 (文春新書)』を読んだよ。どうしてこうも問題だらけなのか。

タイトルには「ニッポンの…」となっているけれども、日本に限らず世界の大問題も取り上げているよ。そして、副題は「池上流・情報分析のヒント44」ということで、筆者は池上彰氏。でも、この副題は何の意味もないように思うけど…。
本文は、週刊文春に連載されていたものに加筆・修正したもの。だから、オムニバス的であって、時事問題についてひと通り知るにはちょうどいい感じ。時間の経過によって、どう変化してかも分かりやすいし。

では、どんな問題があるのか。
まずは、シリア内戦の話題。「アラブの春」という表現があるけれども、それは寒い地方に住む欧米人の発想だというトルコ人の話。

「欧米では、これからいい季節を迎えるというのが春のイメージだろう。でも中東では、春の後には過酷な夏が来るんだよ。春は、これから嫌な季節が始まるとアラブの人は思うんだよ」と。
目からウロコだったと池上氏。実際、アラブ諸国は厳しい状況になった感もあるし。やっぱり、現場を知らないと本当のことは分からないよね。

もう一つは新興国の問題。世界第2位のアパレル大国であるバングラデシュ。もちろん、この第2位の要因は人件費の安さなわけだけど、人件費というものは必ず上昇するもの。だから、繊維産業の隆盛は世界各国を遷移するんだよね。ただ、バングラデシュでも労働条件をめぐる紛争が起き始めていて、

バングラデシュでも人件費が上昇すれば、「ファストファッション」と呼ばれる安い衣料品の価格競争は、そろそろ限界かも知れません。
と池上氏。でも、次はアフリカ?とか思ってしまうのは、安直かなぁ〜。

社会はどんどん変わっていく。そして、ますます複雑化していくよね。それを追いかけるジャーナリストも大変だけど、それを読む読者も結構シンドイかもね。それが現代だって言われれば、そうなんだけど…。

ニッポンの大問題 池上流・情報分析のヒント44 (文春新書)
ニッポンの大問題 池上流・情報分析のヒント44 (文春新書)池上 彰

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