つながる図書館/猪谷千香

つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)』を読んだよ。これほど図書館が注目される時代があっただろうか。

図書館に通い始めて何年になるだろうか。勿論、子供の頃も行っていたけど、大人になってからはもう20年は通っているかも。それが高じたわけでもないけど、今では仕事上の関わりもあり、アッシ的には図書館ブーム。
そして、社会も図書館が注目される時代。大学図書館もちょっとした建設ラッシュだけど、それにもまして公共図書館も凄いことになっているよね。その筆頭が武雄市図書館なわけだけど。
と言うことで、本書は昨今の図書館事情を取材し、まとめたもの。単なる無料貸本屋ではなく、図書館の役割が変化してきていることがよく分かるよ。

では、どんな図書館が紹介されているか。
まずは、東京都武蔵野市の「武蔵野プレイス」。
ここを図書館であって、図書館でないと筆者。館長のコメントを引用し、

「なかなか表現できなくて悩んでいますが、ここは『武蔵野プレイス』なんです」
と。そして、
そこに行けば、ニュースや新しい情報を手に入れることができるし、知り得たことについて、友人や知人と会話を楽しめる。あたかもみんなが集まる「広場」のようだ。
と言い、それをSNSのようだと表現しているよ。

続いて、千代田図書館
ここでは公共図書館の今後のあり方について、重要なヒントが。

公共図書館」の今後のあり方はさまざまですが、一つは『無料貸本屋』を絶対にやめる。情報、知識の世界は広いので、関連機関と連携する。もう一つは、知識や情報を生み出す場になることです。」
と関係者の話。ここに本書のタイトルにある「つながる」という概念が出てくるわけ。繋がらない図書館は単なる貸本屋と同じだからね。

そして、話題の武雄市図書館や同じく佐賀県伊万里市民図書館などを紹介。さらには公立図書館ではなく、ボランティアやNPOが運営する公共図書館までにも言及しているよ。

うん、本が好きな人は多いから、もっと図書館が注目されてもいいはず。いや、そのために図書館自身が頑張らねばいけないんだよね。

つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)
つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)猪谷 千香

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