仏教が好き!/河合隼雄,中沢新一

仏教が好き! (朝日文庫)』を読んだよ。仏教がますます分からなくなる…。

河合隼雄氏と中沢新一氏の仏教を巡る対談集。宗教に詳しい中沢氏が河合先生に仏教についてレクチャーするという構成になっているけど、河合先生も仏教についてよく知っているので、話の内容は凄〜く濃い。なので、アッシのような仏教に疎い読者には結構苦痛の読書かも。

どうして、そう思うか。
まずは中沢氏の発言。

だから「仏教とは何ですか」ってたずねられたら、「宗教ではない宗教」、「宗教の先にあるものをめざす宗教」と答えます。おそらく仏教は初めからそういうものとして生まれたんじゃないでしょうか。
と、いきなり神話の世界に入ってしまう感じ。これって、人類の根本にあるものってこと?って理解するしかないよね。

そして、キリスト教を代表とする一神教との違い。
キリスト教の場合は使徒として神の声を伝えるだけ。だから、どんなに努力しても神になることはできない。だけど、仏教は努力すればブッダと同等になることができる。この差異が不思議な感じだよね。

「否定」の話も面白いよ。それは、否定を否定して、それが大肯定になるような考え方。河合先生が、

「喝!」って勢いよく「否定」する。
と言うと、
スリッパで頭打って「大悟」と言う。このへんのメカニズムは、あいかわらずわかったようなわからないような。
と中沢氏。え〜っ。二人が分からなければ、アッシにはサッパリ分からないんだけど…。

最後も中沢氏の発言。

なぜ仏教が大事かと言うと、人間の思考のいちばんの始まりの状態といちばん発達した状態というのを、一つに結合できる長所があるからです。
これって、見方によっては何でも有りの世界ってこと?殆ど曲芸とも言えるかも。う〜ん、だからこそ、仏教って凄いのかもしれないね。
仏教が好き! (朝日文庫)
仏教が好き! (朝日文庫)河合 隼雄 中沢 新一

朝日新聞出版 2008-06-06
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