大学入試 担当教員のぶっちゃけ話/櫻田大造
『大学入試 担当教員のぶっちゃけ話 (中公新書ラクレ)』を読んだよ。本当のぶっちゃけているのか?
題名に「ぶっちゃけ」とあるけれども、ぶっちゃけているのはそれほどでもなく、どちからというとあらゆる資料を駆使して、今の大学事情事例集という感じ。さすがに大学教授だけあって、資料集めは得意なところだよね。
本書の前半は日本の大学の入試事情について。「ガラパゴス化するニッポン」っていう言葉を聞いて久しいが、大学入試もガラパゴス化している事情から始まり、学力問題で指摘されているAO入試や推薦入試の実態を解説しているよ。
中盤は、筆者が一番ぶっちゃけたいと思われる大学教員の過酷なお仕事実態。研究業績としてまったく評価されない入試の作問、オープンキャンパスに駆り出され、入試の試験監督やら採点やら判定やら。要は過酷な雑用ばかりなり…と。これを、
他の雑務量も入れてカウントしてみると、しつこいようだが、欧米の大学教員は優雅に「チェス」をプレーしているのに対して、日本の大学教員はより複雑な「将棋」を指しているようなモノなのである。と表現しているよ。それもニッポン的でいいような気もするけど。
後半には予備校の話も。筆者の提案は、予備校との連携。
これらの大学と予備校間の多種多様なコラボは、18歳人口の減少に悩む予備校サイドにとって、経営面でも多くの利益を生むだろう。今、日本の大学生の学力増強のために、予備校を巻き込んでの、大胆な国内教育資源有効活用が望まれる。と。資源の有効活用は賛成だけど、逆に大学が予備校に巻き込まれてしまいそうな予感がしなくもない。
まだまだ、変わっていきそうな教育業界であることは分かりました〜。
大学入試 担当教員のぶっちゃけ話 (中公新書ラクレ) | |
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