すべてがFになる/森博嗣
『すベてがFになる (講談社文庫)』を読んだよ。Fか…なるほど。
久しぶりの推理小説で、筆者は森博嗣氏。本書が書かれた時点では某国立大学助教授だったけど、今は主に作家活動。小説以外にもいろいろと書いているから、小説家ではないと思うけど。
それにしても、長い。500頁以上の本を読んだのはここ何年もないはず。推理小説って基本的に長いものが多いけど、文庫本で500頁以上だからね。それでも、アッシとしては読みやすかったよ。よくあるグイグイという感じではなく、スイスイという感じ。
登場人物は多数。謎を解くのはN大学の犀川助教授と学生の西之園萌絵。二人とも工学部の所属なので、理系の会話が多いよ。そして、コンピュータの知識もある。その知識は今から思えば古い感じがする。けれども、本書が書かれたのが1995年(出版は1996年)だから、まだ一般の人にはコンピュータ浸透してきていない時代に最新のコンピュータ技術についての知識はあるという想定なわけ。
技術だけでなく、思想も。例えば、
「人間が作った道具の中で、コンピュータが最も人間的だし、自然に近い」と犀川先生。だから、VRも本物も比較することがナンセンスだということ。そう、現代では仮想も現実も両方を操っている時代になっているからね。
もう一つ。
神の作ったプログラムのバグこそ、人類といえる。と。人間が生きていること自体が不思議なことであると。まったくの同感。
さて、ストーリーは読んでいただくのいいので、ここではまったく触れず。そう、一番気になったこと。犀川先生、タバコの吸い過ぎ…。
すベてがFになる (講談社文庫) | |
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