生命の逆襲/福岡伸一

生命の逆襲』を読んだよ。ヒトに対する逆襲か?

筆者はいつもの福岡ハカセ。週刊誌「AERA」に連載されたエッセイを1冊にまとめたもの。その意味で『遺伝子はダメなあなたを愛してる』の続編と言えるもの。

エッセイだから、一編が4頁足らずだけど、そこには奥の深い生命への造詣が込められているのはいつもと同じ。

では、どんな造詣なのか。まずは昆虫少年だった筆者のまなざしから。そこでは、自然の中で待つことを考える。

何かをじっと待つ。来るかもしれないし、来ないかもしれない。自然を相手にすると、結果が出ないことに対して寛容になれます。これは科学者にとって最も大切な資質かもしれません。
と言う。じっと待つことって、現代ではあり得ないことかもしれないけど、それがあえて必要だと。これってまさに自然の逆襲なのかも。

そして、センス・オブ・ワンダー。「単細胞生物に死はあるのか」の項。もうタイトルから衝撃的。考えたこともなかったけど、考えてみるとビックリするような事実。それは、細胞分裂を繰り返す限りにおいて、単細胞生物に死はないということ。

限られた一生を終えると跡形もなく消え去る私たちは、単細胞生物から見れば、非常に儚い存在なのです。
と福岡ハカセ。確かにそうだけど、でもそれでいいのだとアッシ的には思うんだけど…。

最後は、♀の優越♂の憂鬱。♀♂の関係については、福岡ハカセの以前の著作『できそこないの男たち』が詳しいんだけど、ここでもエッセイとして幾つも出てくるよ。そして、その関係性を、

メスは存在に理由を必要としませんが、オスには理由がいるのです。そのため、オスはいつも集め、枚挙し、網羅しようとあくせくしています。メスはゆったり泰然自若に構え、その果実を味わうのです。
と言っているよ。これはコレクター志向が男子に多い理由を生物学的な見解で説明したもの。うん、集めるのは嫌いじゃないし、網羅し整理し、スッキリした感じにしたいのはアッシも同じ。やっぱり、男子だからなのかなぁ〜。

という感じで、相変わらずの福岡ハカセ節満載の本書。サクサク読めるのもいい感じ。次はどんな展開になるのか、楽しみです〜。

生命の逆襲
生命の逆襲福岡伸一

朝日新聞出版 2013-04-19
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