激走!日本アルプス大縦断/NHKスペシャル取材班

激走! 日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース富山~静岡415?』を読んだよ。人間業とは思えない。

2年毎に開催される「トランスジャパンアルプスレース(TJAR)」という山岳レース。本書は、このレースをNHKが取材し、NHKスペシャルで放送後、書籍化したもの。

このTJARというレース。半端なく凄い。富山県日本海側海岸から出発し、北アルプスを越え、さらに中央アルプスを越え、もちろん南アルプスも縦走し、最後は静岡県の太平洋側海岸にゴールするというもの。全行程415km。これを8日間で走破すれば、完走。当然、アッシには無理な話で…。

2012年の大会は参加者が28名。彼らのレースの様子を事細かに取材し、伝えているのが本書だけど、「なぜ走るのか?」という究極の問いをも探り出しているよ。もちろん、その答えは人によってさまざま。明確な答えもない場合もあるし。そう、結局、理由なんてないのかもしれないよね。
ある選手がゴールの直前でつぶやく。

「なんだったんすかねー、この5日間。ほんと……なんだろう……」
と。うん、本当にそう思うと思う。それを考えながら走るんだと思う。
その直後に、南アルプスに入る前にその選手が「わくわくする」と言っていたことについて話しかけると、
「済まなかったですね。わくわく……じゃなかったですね。わくわくだけじゃ済まなかったですね。でもそこで勉強させてもらうことがあったんで、それがあるからいいのかな?」
何となく不思議な心境。走りながらのインタビューなので、まとまった話にはならないけど、そのままの心情を伝える言葉なんだろうね。

完走したのは18名。タイムオーバーでもゴールした選手が1名。

勝敗に関係なく、自分自身のために走り抜いたのだから。
とこの選手を賞賛する。この選手が本当の勝者なのではないか…とも。

「何のために走るのか?」
生きるということは、走り続けることなんじゃないかなぁ〜と思わせられる一冊でした〜。

激走! 日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース富山~静岡415?
激走! 日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース富山~静岡415?NHKスペシャル取材班

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