グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた/辻野晃一郎

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた (新潮文庫)』を読んだよ。これがソニー愛なのか?

このちょっとユニークなタイトルに惹かれて読んでみた本書。タイトルを素直に読むと、「グーグルなんて大したことない。だって、それはソニーでは普通のことだったんだから。」って読めるわけで、ソニー称賛本?になるけど、実はそうではないっていうのが、本書のヘンなところ。

筆者は辻野晃一郎氏。ソニーに22年勤務した後、グーグルに移り3年。その経験を綴っただけという感じだけで、残念ながら、アッシ的にはピンと来ず。
とばかり言っているわけにはいかないので、ちょっとだけ本書の内容を紹介。

筆者は22年もソニーにいたので、それだけソニーでのエピソードは多彩。VAIOコクーンスゴ録ウォークマンetc。これを見ただけでも筆者の関わった仕事は範囲が広かったのが分かるよね。でも、そのどれもが途中で潰されるか、担当を交代させられるわけ。それがソニーの問題なのか、筆者自身の問題なのか…なんだけど、筆者的には前者だと言いたいみたい。ということで、本書全体にソニーの会社体質に対する批判が蔓延する。とは言え、それが筆者のソニー愛の表現方法なのかもしれないけど。
だから、

自分のようなタイプは、ソニーのような会社でなければ駄目で、普通の日本的な会社に入っていたら、まともに相手にされることはなかったのではないかと思う。
と言う。うん、これは本心だろうし、アッシもそう思う。そして、これがグーグルという会社に繋がっていくんだろうね。

さて、グーグルという会社。筆者は、

グーグルが急成長しているのは、いろんな面で非常識だからであり、リアルの世界での常識はネットの世界での非常識であったり、その逆もあるわけだから、自分が今までソニーで培ってきた常識は一旦捨てた方がよさそうだ、ということを直感的に察した。
と言う。ソニーがダメになった理由もそこに見つけているし。
とは言いながら、
ソニーのプロダクツも、グーグルのプロダクツも、常にユーザに新たな世界への入口を提供し続けて来たのだ。
と、最後はソニー愛を見せる。

ソニー愛が強い過ぎる故のソニーへの鞭なのか…とも思うけど、結局、グーグルで必要なことは何だったのかサッパリ分からなかったし、だいいち、あれだけボロクソに言ったソニーから学んだことは何だったのかもよく分からず。単に、ソニーからグーグルに転職した人の自叙伝という感じだったかな…。

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた (新潮文庫)
グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた (新潮文庫)辻野 晃一郎

新潮社 2013-03-28
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