危ない私立大学 残る私立大学/木村誠
『危ない私立大学 残る私立大学 (朝日新書)』を読んだよ。私立大学の最新事例集。
大学淘汰の時代と言われて、かれこれ何年経つのだろう。2007年が全入時代の始まりだから、もう10年以上になるか…。その間も大学は増え続け、入学定員も増えているはず。それでも、バタバタという感じで大学が潰れているわけでもなく、何となく存続している大学は多いよね。でも、本書によると、これから100校以上は潰れていくのだと。
で、その根拠が、本書で提示されたサバイバル度ランキング。各大学が公開している情報から筆者がランキングしたものなんだけど、その評価項目は極々一般的なもの。一般向けの書籍だから、この程度なのかもしれないね。ギョーカイのヒト的には物足りない感じがするんだけど。
ということで、前半はこのランキング表の見方と解説。そして、大規模校や関西の大学の現状や取り組みの紹介事例などが続く。だから、余計に面白み無し。
アッシ的に注目したのは、立教大学の「エリア戦略プロジェクトK(神奈川)」という企画。東京メトロ副都心線の東急東横線との相互乗入れで、神奈川方面から池袋に通いやすくなったこともあるんだろうけど。こういう企画が個人的には好き。それに、この企画への対抗策なのか、池袋で神奈川大学のキャンペーンを見たことがあったし。交通網で人の動きが変わるよね。
もう一つは、去年話題になった秋入学の件。本文ではなくて、囲い込み記事風なんだけど、過去に14%の大学が秋入学をすでに実施していたという事実。「実施していた」という過去形なのは、今は実施していないから。つまり、諸事情で止めてしまったから。諸事情にもいろいろあるけと、結局はうまくいかなかったからなんだよね。それでも、チャレンジしようとする東大。最近、なんだかそれも怪しくなってきた感じだけど。
なんだか、本書と関係ない余計なことを書きすぎたかも。とにかく、手軽に知りたい情報誌的な内容なので、深く知りたいとという向きには残念な本でした〜。
危ない私立大学 残る私立大学 (朝日新書) | |
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