これが物理学だ!/ウォルター・ルーウィン

これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義』を読んだよ。身体を張った物理学講義。

副題が“マサチューセッツ工科大学「感動」講義”というもの。最近、白熱授業とか、それ系統の言葉を聞くことが多いけど、この本もそれ系に近いかも。どうやら、NHKでも白熱授業とかいうシリーズで、本書の著者ウォルター・ルーウィン教授が登場したらしいし。
そんなわけで、ルーウィン教授の授業を手っ取り早く見たければ、MITのOCWがインターネットで閲覧できるので、それを確認すべし。英語だし、講義全編なので、途中で投げ出す可能性大だけど。

で、本書はその講義を丸々再現したものかというとそういう訳ではなく、MITでの講義を改めて文章としてまとめたもの。前半の3分の2は確かに一般の学生向けの物理学講義だけど、残りの後半は、筆者の専門分野(天文物理学)になって、結構高度な内容。だから、理解できない部分が多数。この前半と後半の難易度の差はちょっといただけないかな。理解できないアッシがいけなのかもしれないけど。

では、どんな講義なのだか。
内容としては測定と誤差の話から始まって、ニュートン力学、圧力、光、音、電気、磁力、エネルギーと現代物理学の基礎。後半がこれらの基礎を土台とした天文学の話になるわけ。
各講での詳細は本書に任せるとして、ここでは筆者の語る物理学の素晴らしさについて紹介するよ。

けれども驚くべきは、物理学という手段がいかに多くの答えを、それもすばらしく高い精度をもって提供してきたかということだ。
とか、エネルギー保存の法則のまとめの最後では、
こういう枚挙にいとまがない発見や変容に鑑みれば、いつの日か科学者たちが、制御された核融合という課題を乗り越えることを当て込まずにはいられない。数々の困難や、早期解決の重要性を軽視するつもりはないが、わたしは時間の問題だと確信している。
と言っているよ。
そう、解決すべき課題は無限大なんだけど、一歩一歩山を切り開くように、物理学が解決に導いてくれるんだろうね。まだまだ、物理学から目が離せませんなぁ〜。
これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義
これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義ウォルター ルーウィン 東江 一紀

文藝春秋 2012-10-13
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