ウェブで政治を動かす!/津田大介

ウェブで政治を動かす! (朝日新書)』を読んだよ。ジャーナリストらしくなってきた津田氏。

筆者の津田氏のこと、IT系のライターかと思っていたけど、最近の活動をみると、実はそれだけではなさそう。いや、逆にITを手段とした社会を考えるとジャーナリストという位置づけになっている感じ。NHKの社会系の番組に出ていたりするし。

ということで、本書はこれからの政治のあり方を、ソーシャルメディアという視点から捉えることを主眼とするもの。従来のメディアからは出てこないアイデアや改革をそこから探し出そうということなんだよね。

では、どんなことを提案しているのか。一つは、インターネットなどを通じた大衆のバラバラな「意見(無意識的意識)」を情報技術を駆使することで政治家や官僚が暴走しないためのリミッターとして利用することの提案を紹介しているよ。そして、そのような状況下で我々のすべきことを、

まずは、自分自身で動くこと。ソーシャルメディアで意見を訴えるのもいい。デモに参加するもいい、直接政治家に会いに行き、それをまたウェブ上で公表してもいい。
と言っているよ。そして、政治家はそれを無視できない状況になってきているのだとも。そう、ネット選挙だって、実質上解禁されているようなものなんだし。yahooの「みんなの政治」なんて、まさに無視できない存在だよね。

ここで、ネット選挙の話が出たついでに、これについての筆者の見解。ネット選挙で政治が簡単に変わるとは思わないと。それには、選挙制度そのものにメスを入れる必要があるとも。この両者があってこそ、本書に通底するのは、「政局本位の選挙から政策本意の選挙へ」の変換が可能になるんだよね。

もう一つは、「政治家はメディアである」という考え方。これは本書の後半であちこちに登場するセリフ。イメージ的にでも、すぐに理解できるよね。あくまで媒介者であるという立場に立てば、自ずとその役割について、理解できると思うんだけど。今の政治家にそれが理解されているのかなぁ〜。
ということで、このセリフが本書の中で一番のインパクトでした〜。

ウェブで政治を動かす! (朝日新書)
ウェブで政治を動かす! (朝日新書)津田大介

朝日新聞出版 2012-11-13
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