日本凡人伝/猪瀬直樹

日本凡人伝 (新潮文庫)』を読んだよ。サラリーマンって凡人なのか?

著者は猪瀬直樹氏。昭和58年の作品だから、かれこれ30年ほど前か…。雑誌「スタジオ・ボイス」に連載したものをまとめたもの。この「スタジオ・ボイス」は、一言でいうとインタビュー誌。いまでも、雑誌などには対談などが載っているけれども、それに特化した雑誌があったらしいよ。
特徴的なのは、インタビューしたものをほとんど無加工で掲載しているということ。そこらの喫茶店や飲み屋での会話のように、話す人の言葉がリアルに伝わってくる感じかな。

で、どんな凡人たちが登場するのか?
基本的にはサラリーマン。葬式中継アナウンサー、国鉄(当時)のスジ屋、都バス車掌(女性)、芸能人のマネージャー、出版社のトラブル処理係などなど。それぞれの人がそれぞれの個性豊かな人生を生き生きと話しているよ。そして、不思議なことに誰もが雄弁。これはインタビューアー猪瀬氏の手腕があるのかもしれないね。

ちょっとだけ、凡人たちの一言を紹介。億ション販売人として登場する人物がこう言う。

この「凡人伝」のテーマがサラリーマンうんぬんということになっているけれども、僕はしょせんサラリーマンなんてのはねぇ、自分の人生観がどうのとか、カッコいいことを言っているけれども、ホントのところはね、九割の人は無我夢中で、気がついてみたら四十とか五十になっていたってことじゃないかと思うね。
うん、これはサラリーマンの誰もが感じでいることなんじゃないかと思う。当然ながら、アッシも。

本書の最後は「あとがきに代えて」として、猪瀬氏がインタビューを受ける。テーマは“インタビュー・ノンフィクション”について。そこで、猪瀬氏は、

だいたい、恥ずかしがる必要なんて何もないんだ。みんな、毎日インタヴューし合って暮らしているんだからね。
と語る。猪瀬氏のインタヴューするテクニックの奥義がこの発想から生まれているんだね。アッシのサラリーマン人生も、猪瀬氏インタビューアーなら雄弁に語れるのかなぁ〜。
日本凡人伝 (新潮文庫)
日本凡人伝 (新潮文庫)猪瀬 直樹

新潮社 1985-02
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