メッシュ/リサ・ガンスキー
『メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる』を読んだよ。『シェア』とはちょっと違う。
特にシリーズ化されているわけではないけど、『フリー』、『シェア』に引き続き『メッシュ』。本の装丁が似ているのでは、シリーズものだと勘違いするアッシのような人がいるかも。とは言え、副題が「すべてのビジネスは<シェア>になる」だから、全く違うものとは言えないけど。
初版が2011年2月だから、最新の事情も盛り込まれていて、現実的な話も多く、結局は『フリー』、『シェア』の最新事情と言ってもいいかも。
世の中を見渡してみれば、シェアしているものって山ほどある。道路、公園、ホテル、鉄道、バス、教会、図書館、カフェだってそう。でも、メッシュとはどう違うのか。
すべてのメッシュ・ビジネスが基本としている前提がある。商品についての情報がシェアされれば、その商品の価値はビジネスにとっても、個人にとっても、コミュニティにとっても増す、ということだ。ここのでキーワードは「情報のシェア」。モノだけのシェアではないわけだよね。
具体的にはどうだろうか?シェアするということはモノを所有しないという考え方。環境にもいいし、所有するコストも軽減することができる。
さらに、ビジネス的にも利用価値が高い。シェアすることで顧客とのトランザクションが1度に止まらず、何回も発生する。トランザクションの蓄積から新たなビジネスの提案ができるようにもなるし、顧客側もより良いサービスを受けられるようになる。
さらに、メッシュ・ビジネスにとっての条件整備が進んでいる。クラウド・コンピューティング・サービス、SNS、物流網の整備などのインフラがメッシュ・ビジネスへの参入障壁を低くしている。SNSの登場が『シェア』から一歩進んでいるよね。
もうひとつ、「透明性」というキーワード。
私が今わかっているのは、とくにパートナーとのコミュニティで構成されるメッシュの生態系においては、情報やアイデアをシェアすることに多大な利点がある、ということだ。インターネットそのものが最高の例だ。そう、そもそもシェアするためには、オープンでなくてはならず、透明性が高ければ高いほど、信頼を得ることにもなる。
蓄積と透明性。それがセレンディピティをもたらすことに繋がるのとも言っているよ。アウトプットはインプットの量に比例する訳で、これからは有効な情報の蓄積が必須なんだよね。
メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる | |
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