転換期日本の大学改革/江原武一

転換期日本の大学改革―アメリカとの比較』を読んだよ。課題図書…。

今年は業界団体の研修に参加することになり、いわゆる「課題図書」というものが出されていて、その第一弾。第一があるってことは、それ以降もあるということで、今年は12月まで四苦八苦の年になりそう…。

で、本書の著者は立命館大学の先生。本人曰く、専門は比較教育学だとか。何と何を比較するかというと、アメリカと日本で大学。その視点から、日本の大学の改革のあり方を述べているよ。

まずは、その背景から。
ポイントは、グローバル化、小さな政府による市場競争原理、IT革新の3つ。これらが、大学にも浸透してきているということ。

そして、大学改革の歴史について。
日本の場合、カリキュラム大綱化から始まっていることは、業界人ならご存知の通り。今でこそ、規制緩和なんて当たり前のことだけど、当時から大学業界でも規制緩和が始まっていたわけ。その代わり、大学や学部の設置も簡素化されたんだけど、逆に設置後の検証も義務化されてしまった。「検証も」の「も」がミソであって、結局は業界的には厳しくなったも同然。今までは、護送船団方式でお上の言うことを聞いていれば、取り敢えず問題は無かったのが、突然突き放されて、自助努力で何とかせい!!と言われたようなもの。

あと、教育と研究のバランスの問題。
卵が先か鶏が先かに近いような気がするけど、当該者にとっては大問題。日本の大学教員は「研究」という頭を残しつつも、「教育」に力を入れざるを得ない状況になってきているのは事実。それは大学評価にも繋がるわけだし。

以上が本の内容とアッシの思い。
研修では、課題図書を読んで、著者の講義を聞く。
本としては、冗長だったけど、中身が濃いことは確か。分かっているけど、身に着かない。研修では、頭で理解するのではなく、体で覚えるような感覚でいたいなぁ〜なんて、思いました〜。

転換期日本の大学改革―アメリカとの比較
転換期日本の大学改革―アメリカとの比較江原 武一

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