22歳からの国語力/川辺秀美

22歳からの国語力 (講談社現代新書)』を読んだよ。「国語力」に惹かれて読んだけど…。

本書のポイントは「国語力」より「22歳」。つまりは、就活生や社会人1年生からの国語力にターゲットを絞った点に特徴があるよ。
本書にも書いてあるけど、学校教育では「教養としての国語力」は育つかもしれないけど、ビジネスにおける文書や表現についての国語力を育てる教育は無かったよね。だからこそ、22歳という年齢が新しい国語力をつける出発点になるんだよね。アッシ自身も振り返ってみれば、作文は中学で終わり、それ以降は社会人になるまで、文章なんて書いていなかったような…。

そして、ノウハウ的には筆者の提示する「七つの鍵」を使うこなせというもの。「七つの鍵」とは、5W1Hに似ているけど、ちょっと違うもの。詳しくは本書を見てもらうとして、要はこの「七つの鍵」を選択して組み合わせて、文章(表現)を構築するわけ。その時々によって、組み合わせも違ってくる。

さらに、国語力を構成する力が4つ。「読む」「聴く」「話す」「書く」なんだけど、これを、サッカーに例える。

「読む」→GK
「聴く」→DF
「話す」→MF
「書く」→FW

なるほど、input/outputの概念に近いよね。でも、イメージが湧く。
さらに、このうち、「読む」「書く」は自力で鍛えることができるもの、「聴く」「話す」は力をつけるには他力が必要なもの、として分類する。
だからこそ、「読む」「書く」は若いうちから力をつけておくことは可能なんだよね。

で、「読む」ことについては、かなりのページ数を割いて説明しているよ。多分筆者の得意とするところが「読む」ことなんだろうけど、かなり詳しいよ。「多読」の勧めとか、「行動」に結び付けるとかが「読む」ことのポイントと認識。

一方の「書く」。
ここでは、頭で考えて書くのではなく、手が勝手に書いてくれるような感覚になるまで鍛えることが大切だと。うん、この感覚は分かるような。そういう感覚になるときは、調子がいいからね。脳と身体の一体化。茂木さんや、養老先生、ウチダ先生の言っていることと同じ。

以上の「読む」「書く」の感覚。就活生や社会人1年生に、すぐにピンと来るのだろうか?ピンと来るためにも、それまでの読書力が重要な気がするんだけど。今のアッシだから、それが言えるのだろうか…。
小学生の頃から本に親しむことの重要性が、この意味に隠れているんじゃないかなぁ〜。

22歳からの国語力 (講談社現代新書)
22歳からの国語力 (講談社現代新書)川辺 秀美

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