東京の副知事になってみたら/猪瀬直樹

東京の副知事になってみたら (小学館101新書)』を読んだよ。折しも、東国原氏が東京都知事選挙への立候補を示唆。

筆者の猪瀬直樹氏はの著作を読むのは『ミカドの肖像』以来かも。その言動は、マスメディアを通して知ることが多かったけれども、それは小泉内閣まで。東京都の副知事になったのは知っていたけれども、その活動はそれほど知られていないよね。そんなわけで、アッシ的には興味の持てる一冊であったわけ。

さて、副知事の仕事ぶり。内容的には、東京都の副知事というより、国会議員レベルの仕事が多いよ。国会議員ほど制約が無いためか、比較的自由に活動している感じ。

個別の仕事的には、「役所にも経営感覚を」というのが基本コンセプト。本書の冒頭に出てくるけれども、東京都がグローバルの世界に売れるものがたくさんあるという話。一番大きいのは、水道事業。漏水率が3%であったり、蛇口から直接飲める水道を提供できる技術は世界でも高レベル。民間でこういう会社は無いわけだし、グローバル的にも需要はあると。
そして、日本の弱点は、部品を供給するのは得意だが、全体システムとして売り込むことが苦手。その点でも、水道事業は一環したシステムになっているよね。

その他、石原都知事、羽田・成田の問題、エコ、老人介護施設、高速道路etc。日本の重大問題が東京都には縮図として、現れてきているのかもしれないね。

最後は、成熟社会ニッポンへの提言。

まず必要なことは歴史認識で、自分の位置を、この国の居場所をつかむことである。そうすればなにを自分がしたらよいのか、わかる。結局、みな政治家の悪口を言って溜飲を下げているのだ。あれがダメ、これだダメ、と。そうではないと僕は思う。
と言い、それぞれができることを実行してみようと。そう、そう思う。批評家になってはならぬ。言ったら、実行することが必要だよね。それでも、無理をする必要はない。自分のできることからやっていけば、集団の力が発揮できるんだよね。
東京の副知事になってみたら (小学館101新書)
東京の副知事になってみたら (小学館101新書)猪瀬 直樹

小学館 2010-06-01
売り上げランキング : 3832


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ