たけしの最新科学教室/ビートたけし
『たけしの最新科学教室 (新潮文庫)』を読んだよ。あっという間に、「最新」じゃなくなるんだろうけど。
「たけし」とは、ご存知ビートたけしのこと。明治大学工学部中退で数学好きは周知のところ。本書は、そのたけしと日本の科学者との対談集。たけしに予備知識が充分にあるから話の流れがスムーズだし、一般人の素朴な疑問をうまく科学者たちに投げかけているよ。
天文学者との対談では、宇宙の外側はどうなっているのかという話題が出てくるよ。まさに誰もが知りたい素朴な疑問だよね。天文学者の回答は「宇宙とは人間が認識したすべての世界である」という定義を持ちだし、宇宙の外側は認識できないこととしているんだけど、たけしの解釈は、
よく子どもに見たこともないものを描けって言ったりする先生がいるじゃないですか(笑)。見たことないものは描けないって。それと同じですよね。そう、それと同じ。原理的に有り得ない。確か福岡ハカセも同じようなことを言っていたような。
恐竜の話では、アッシが以前から気になっていた素朴な疑問に対する科学的な回答が得られたよ。映画『ジュラシック・パーク』みたいに、恐竜の血を吸った蚊が琥珀の中から見つかり、その血から恐竜のDNAを取り出すことで、恐竜のクローンを作り出すことは可能なのかという点。
回答のポイントは、DNAがタンパク質であるという点。つまりは有機物だから、時間が経てば壊れていくよね。結局、今の科学では無理であるとの結論。ジュラシック・パークとしては、夢があるんだけどね。あ〜、残念。
あとがきでたけし曰く、
科学者というのは「究極の道楽者」なんだと思う。と。そう、科学者に限らず学者とはそういうもの。世の中、道楽者でないと出来ないことってあるんだよね。社会として、その道楽に血税を投入するって、理解されないよね。道楽者側も、理解してもらう努力が不足しているんだろうけどね。
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