次世代ウェブ グーグルの次のモデル
『次世代ウェブ グーグルの次のモデル』を読んだよ。人類はどこまで便利になれば気が済むのか。
本書は2007年1月に上梓。ちょうどGoogleが日本でも浸透し始めて、ぐぐるとかいった単語が通用しかかっていた時期。アッシもGmailを使い始めたのが、2006年5月だから、一応時流には乗っておこうかという感じで使い始めたのだろうと思う。
では、Googleに代表されるWeb2.0とは何か?筆者は、
Web2.0というムーブメントは90年代に失われつつあったインターネットの理想を取り戻そうという、ひとつの復古運動であった。といい、それ以前のWebに対するアンチテーゼであったと極論する。それゆえに、「Web2.0はこうだ」という明確な定義が有り得ないことも頷けると言っているよ。
ロングテールに対しても新たな見解。世間では、ロングテール=アマゾンという図式が成り立っているけれども、アマゾンだけがロングテールではないと。
ロングテールの本質は、ロングテール部分の商品をすべて自分で持つという仕組みにあるわけではないからだ。と。つまりは特異な商品を売っている零細店舗があったとしても、それを必ず買う顧客とうまくマッチングすることができれば、その零細店舗の経営は成り立つわけ。これはアマゾン以上にまさしくロングテールそのものだと。そして、そのマッチングを担うビジネスが世の中のプラットホームになりつつあるとも。ここでは楽天が例に上げられているけれども、「楽天に収奪されている」という印象を持ってしまうようでは、Web2.0のプラットフォームになることはできないと筆者。
このマッチングの考え方を発展させたのが、「UFOキャッチャー」というキーワード。情報の巨大な海から必要な情報をすくい上げるUFOキャッチャーとして、SNSを代表とするソーシャルというシステム。検索エンジンでは検索以上のことはできないわけで、マッチング以上に効率的に必要な情報にアクセスする手段がWeb2.0の機能のひとつというわけ。
もうひとつのUFOキャッチャーは、ブログ。プレスブログの話題もあるけれども、リスペクトされないブログは意味がない。企業から情報提供されてても、ブロガーがその商品や内容に共感されることでブログに書いてもらうスタンスでないと、結果的にリスペクトに至らないという。
さて、今は2009年の8月。本書からすでに2年半を経過しているけど、いまだにGoogle全盛。ますます勢いが盛んで、「次のモデル」が見えない感じ。というか、Googleそのものが「次のモデル」に進化しているような気もするよ。
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