バカにならない読書術
『バカにならない読書術』を読んだよ。池田先生は詩人志望だったとは…。
本書は二部構成。前半は養老先生の読書に関するエッセイ。後半は養老先生、池田清彦氏、吉岡忍氏の対談集。
養老先生の本は何冊も読んでいるけど、その都度、新たな視点を示してくれるよ。
例えば、「日本語は漫画言語である」という見解。この説明には、脳は漢字を読む場所と仮名を読む場所が異なっているという予備知識が必要なんだけど、詳細は省略。
実は漫画は漢字と同じで、意味を表す図形だからです。それに音声を振っている。これが吹き出しです。吹き出しは、ルビなのです。漫画は象形文字であると考えると分かりやすいよね。それに日本の漫画が面白いと言われるのも必然か。
後の対談でも出てくる話だけど、言葉で理解しにくいことを図にイメージすると分かりやすくなる。だけど、論理性には乏しくなるかも。日本人が論理に弱いと言われているのはここに要因があるのかも。
その他には、読書はコミュニケーションだとも。相手の言葉の意味を理解するのは最低レベルの作業。人間はそうそう本音など話さないもの。
だから、相手が直接口にはしていないけど、本当はこういう思いでいるのではないか、本当はこれを言いたいのではないか、と推測して、自分が出すべき言葉を探すわけです。と。つまりは、言葉としてそこに書かれていないことを読み取るという高度な作業なんだね。
本の選び方にも一考。
とりあえず、おもしろそうだなと思うものを手にする。ベストセラーは必ずしも読むわけではない。そして、自分が考えもしなかったことを書いてある本が、一番楽しい。そう、同感。新しい視点は刺激になるから。
後半の第二部はオジサンたちのヨタ話風。ところどころに豆知識が見られたけど、アッシ的にはピンと来ず。
タイトルと中身に不整合があるような気がするけど、「バカ」の意味が『バカの壁』の「バカ」なら、一応良しとしましょうか。
バカにならない読書術 (朝日新書 72) | |
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