読書力
『読書力』を読んだよ。読書の効用はあらゆるところに。
齋藤孝氏の本の本。読書好きにはうれしいことばかりが書かれているよ。そう、本を読むことはいいことばかりだから。
序章がいきなり長い。50頁ほどで全体の四分の一。ここに本書のエッセンスのすべてが詰まっているよ。だから、序章だけでも十分かも。
まずは「精神の緊張を伴う読書」がポイント。この言葉は何度も出てくる。初めのうちは疲れるけれども、慣れてくると苦にならなくなるのは確か。それを乗り越えると、難しい本を読んだという達成感があり、読書書が癖になっていく。まさにアッシのパターンがこれ。
文庫から新書への流れもアッシの読書人生と同じ。たぶん、本好きの王道なんだろうけど。新書の良さは「一人で大家の凝縮した話を聴く贅沢な時間」と表現しているよ。
高い才能を持った人間が、大変な努力をして勉強をし、ようやく到達した認識を、二人きりで自分に丁寧に話してくれるのだ。と。まさに本だからこそ。
日本人の幅広い読書力の源泉は何かという話題も面白いよ。日本には聖書のような唯一絶対の本がないからだと。唯一絶対の価値を持つ本があれば、その本一冊を読めばよい。倫理感も価値観もそこから吸収できる。逆に、
日本では、大量の読書が、いわば宗教による倫理教育の代わりをなしていたと言えるのではないだろうか。と言っているよ。
さて、読書の効用でアッシの関心を引いたのは、コミュニケーション力の基礎になるという点。会話の脈略をとらえ、頭の中で要約する能力。これは読書によって育まれる。そして、その要約を会話の中に引用すると、さらにお互いの理解が進む。確かにそう。そのような会話が展開できる人との話はスムーズだよね。
読書好きが普段から考えていたことをスッキリ分からせてくれたという感じかも。多少、自画自賛の感もあるけど、それはそれでということで。
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