里山を歩こう Part2

里山を歩こう Part2』を読んだよ。ひと昔前の日本人の生活はすごくシステマチックだったんだよなぁ〜。

琵琶湖周辺の里山を取材と写真で紹介した本。特に今回は地区を絞って、且つテーマも水に。そういう意味で、面白かったかも。Part1はちょっと散漫な感じがしたから。

まずは漁師の三五郎さん。三五郎さんの漁は「おかず捕り」。その晩のおかずにする分しか捕らないという。しかし、その漁の為に、川の世話もしている。藻、ヨシ、ヤナギを刈ったり、ゴミがあったら掃除をしたりと。すべては魚を捕る為にしているんだけど、結局それで三五郎さんの漁場だけが、自然が豊かな場所になっているわけ。
筆者の今森氏も、これがすごく面白いという。

さらに三五郎さんの視野の広さにも驚く。湖岸にいながら、源流のブナの森のことも考えている。

三五郎さんはよく、田の神様と山の神様のことを話してくれます。「山の神様がやってきて、田んぼの神様と結婚すると、豊作になる」と言うのです。これは源流と下流がつながっていること、つまり水のつながりを言っているわけです。
そして、魚類の日本固有種保護の施策も。外来種を除去するのは難しい。だから、発想を変えて、固有種が外来種から避難出来る環境を作る。湖だけを琵琶湖と考えるのではなく、田んぼも湖のつづきの湿原として捉えるという発想。なるほど〜。

湖岸に広がるヨシ原の話も。ヨシを刈ることは雑木林とよく似ている。切られたときはダメージが大きいが、結果として活力が出ることになるわけ。

日本の自然保護の考え方が、(「あくまで手付かずで」という)西洋式の環境保護に近くなってきているような気がするけど、そうではないよね。人間も自然環境のひとつのエレメントで考えないとね。
あ〜、フナ鮨、食ってみたい〜。

カラー版 里山を歩こう〈Part2〉わき水の里から琵琶湖へ (岩波ジュニア新書)
カラー版 里山を歩こう〈Part2〉わき水の里から琵琶湖へ (岩波ジュニア新書)今森 光彦

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