ほんとうの環境問題

『ほんとうの環境問題』を読んだよ。アメリカと中国に不信感…。

冒頭、いきなりアメリカと中国だけど、やっぱり環境問題って、政治的な駆け引きに利用されているだけ。地球のことなんか誰も考えていなんじゃないかと思えるくらい。違うか、地球のことより人類、ホモサピエンスのこと、いや、その前に自国の国益のことしか考えていないんだよね。

さて、本書。『環境問題のウソ』の筆者・池田清彦氏とお馴染み養老先生がそれぞれ執筆。最後は二人の対談で締めくくる。

養老先生は冒頭で曰く。「アメリカ文明とは石油文明である」と。アメリカの秩序は石油によって維持したのだとまで云う。それはまさにエントロピーをそこに捨てるかという問題で、それが炭酸ガスの問題になったのだと。

そして、結局はこういう結論。

環境問題は安全保障問題そのものです。憲法九条や核武装の問題とも、すべてリンクしていると僕は思いますよ。
例として、原発全廃を目指していたドイツやイギリスが方向転換したことを上げているよ。

さて、池田氏

環境問題にはある種の「流行」のようなものがあると。アッシもそう思う。日本人の流行好きに乗っているだけのような…。そう、あと20年もしたら、CO2って何?っていう世の中になっているのかも。なんともバカバカしい…。

CO2が増えることでメリットは無いかのも考える。CO2が増えて気温が高ければ、光合成の速度は速くなり、植物の成長が速くなるってこと。これって生物にとっていいことじゃないの?それで、恐竜とかが生き延びていた時代も地球にはあったわけだし。
そんなことを考えると、環境問題ってますますホモサピエンスの都合か?とも思えてくるよね。

一転して、石油が人類を救った話。石炭より前は木材しか燃料が無かったわけで、石炭・石油がエネルギー資源として発見されなければ、今頃世界中の木が切られて、砂漠化していたかも…という話。なるほど…。
でも、逆に木材エネルギーのままだったら、これだけ文明は発展しなかっただろうし、エネルギーの消費もそれほどでもなかったのではとも思えるけど。

エネルギー問題は人口問題とも関わってくる。エネルギーを減らすには人口を減らすのが一番。なるほど…。そして、人口抑止対策としての「携帯電話」の普及を上げているよ。これはユニークなアイデア

携帯電話のみならず、パーソナルなツールによって、それを使う人たちの「個人の世界」を広がれば、出生率は下がる。
先進国は概ねそうだと池田氏

そして、京都議定書によるCO2の6%削減。年間1兆円も掛かるという。日本のエコ化は元々進んでいたのにさらに削減を要求されていると。ここでアメリカはどうなのか?ガソリン撒き散らしカーを売り続けている国が日本のように対策を講じれば、一気にCO2は削減できると。
さらに、CO2の削減問題より、人口とかエネルギーの問題に取り組むことが本質論なのに、何故か流行のエコに取り組んでしまう愚かさ…。

やっぱりアホだと言うしかない。
池田氏。ごもっとも。

最後に二人の対談での養老先生のお言葉を引用。

文科系の人間というのは、どうしても最後にはイデオロギー優先になって事を考えてしまうよね。そういう文科系の人間が指導的な立場にあることが多い。なんとかしてほしいよな。モノは精神で置換できず、精神はモノで置換できない、ということがわかっているのかな。
いやはや、環境問題って、奥が深いのに、どうして注目されていないのか理解できたような…。
ほんとうの環境問題
ほんとうの環境問題池田 清彦

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