満員電車がなくなる日

『満員電車がなくなる日』を読んだよ。なくなるのも寂しいような気がするけど。

満員電車をなくすための提案・提言が、3つのポイントで書かれているよ。

一つ目は運行方法のイノベーション。信号システム、総2階建て車両、3線運行、鉄輪式リニアなどの技術的な話題。総2階建て車両以外は現実的かなぁと思うよ。特に鉄輪式リニアは面白い。現行の電車の弱点(加減速力が弱い)を克服している点など、将来性があるかも。
これらの方策が実現すれば、輸送力は現行の3〜5倍になると云う。
ただ、問題はコストだ。

そこでコストの問題を考える。
本書は「満員電車の歴史は運賃抑制の歴史」という仮説を置く。確かに他の交通機関と比較すると電車は格安のような。だから、座れなくても文句は言わないし、多少の混雑も我慢する。これがタクシーだったら我慢できないだろうね。
その観点からの筆者の提言は、着席と立ち席の値付け。座る客は料金を高くする。受けるサービスで料金が変わる。普通の市場原理だよね。
その料金の徴収はICカードを使うという方法。今の時代だからこそできる提案。JRならすぐにもやりそう。

3点目は制度の問題。
ここでの主な話題は道路特定財源のこと。電車のライバルはやっぱり自動車だ。それを考えると、確かに自動車は社会の仕組みの中で優遇されているかも。贅沢品が一家に1台あるんだからね。

さて、満員電車は本当になくなるか。そりゃ、ゆったり通勤は理想だけど、満員電車に乗ると「やっぱり、俺サラリーマンなんだよなぁ。皆さんもこれからお仕事なんだよなぁ。今日も多少は頑張るかぁ〜。」という気にもなる。だから、冒頭でも言ったような寂しさを感じるかも。
サラリーマン根性が抜けきれないね、アッシ。

満員電車がなくなる日―鉄道イノベーションが日本を救う (角川SSC新書 29)
満員電車がなくなる日―鉄道イノベーションが日本を救う (角川SSC新書 29)阿部 等

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star通勤ストレスが家での活力を奪う。
star面白い発想が多いけど
star「提案はユニークだが、鉄道事業者寄り」に対する回答

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