フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理』を読んだよ。最後まで感動の連続で、息つく暇も無く読み切りました〜。

フェルマーの定理」の証明を巡り、何人もの数学者が挑戦したり、解決の糸口を見つけたり。そして、アンドリュー・ワイルズが証明するまでを描いたノンフェクション。

さて、フェルマーの定理の証明までの道のりは長い。遡ること、ピタゴラスの時代まで。そう、ピタゴラスの定理ってフェルマーの定理に似ている。そう、式の形が。でも、それが二乗から三乗以上になったとたんに超難解ってわけ。
でも、本書はまずはピタゴラスの定理から始まる。ピタゴラスの時代の数学。それは、現代数学の基礎となるので、その詳しい解説が述べられる。素数、円周率、有理数無理数虚数etc。

そして、数学の証明とは何か?その厳密性。科学的な証明との違い。故の美しさ。

日本人の名前が4人も出てくるよ。谷山豊、志村五郎、岩澤健吉、宮岡洋一。特に谷山、志村、岩澤は、フェルマーの定理の証明に多大な貢献をしているよ。これは日本人として非常に嬉しいこと。
「谷山=志村予想」は、これを証明すれば「フェルマーの定理」が証明されたことになるというほどのもの。「谷山=志村予想」自身は、楕円方程式だのモジュラー形式だの、ちょっと普通の人には理解し難いような理論。「フェルマーの定理」の理解のしやすさとはかけ離れているのがまた面白い。

ワイルズの証明は、先人の研究成果の上に構築されたもの。あらゆる数学の英知を結集している。高校生(中学生でも?)なら知っている背理法帰納法などが証明で使われているのも面白い。

全体を通して、何度も出てくるのが「橋を掛ける」という言葉。一見、何の関係も無さそうな数学の二つの分野に橋を掛ける。そうすると難解な問題を違うアプローチから攻略できることになる。う〜む、仕事に応用できないかなぁ〜?

まさに、感動の数学ノンフェクション。数学の大スペクタクル。数学オタクに拍車が掛かりそうです〜。

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
フェルマーの最終定理 (新潮文庫)Simon Singh 青木 薫

新潮社 2006-05
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