数学を使わない数学の講義

『数学を使わない数学の講義』を読んだよ。春に予約をいれて、ようやく借りられたよ。

筆者は数学科卒業の経済学者。だから、数学が社会的にどんな役割を担っているかがよく分かっているよ。
そして説明が上手い。タイトル通りに数式なんてまったく無し。だから、スイスイ読めるよ。

テーマは数学の論理について。社会には数学の論理が使えることが多々あるよね。特に集合論。そこから派生する存在問題や必要十分条件
「集合Rに含まれるaに対して、ホニャララならば、ホニャなbが存在する」とかいった命題、懐かしいなぁ〜。
でも、筆者曰く、そういう論理は日本人は得意じゃないって。例えば、

山本七平氏が『「空気」の研究』(文藝春秋社刊)で解明されたとおり、日本社会の総意はムードによって決定されるものであり、そこには論理的な基準が存在しない。≫
と言う。
そう、そこにはやっぱり「世間」があるんだよ。こんなところでマイブームの「世間」と関連付くとは思わなかったけど…。
そんな訳で、この本はある種の日本人論でもあるような気がするよ。
数学を使わない数学の講義
数学を使わない数学の講義小室 直樹

ワック出版 2005-04
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